「ブレーカー」とは、電気回路を保護するための安全装置で、家庭や施設内で電気を安全に使うために欠かせない設備です。
過電流や短絡(ショート)、漏電などが発生した際に、電気の供給を自動的に遮断して火災や感電事故を防ぐ役割を果たします。
ブレーカーの特徴と役割
電気回路を保護する安全装置
ブレーカーは電気が流れすぎたり、異常な電気が発生したりした場合に、自動で電気を遮断します。
何かしら理由があって落ちる場合には、バチンッ!と音がして落ちます。
実例
電気料金未納や落雷時の停電時であっても、ブレーカーが落ちることはありません。
家庭用分電盤に設置
家庭や施設の分電盤(配電盤)に設置され、回路ごとに分けて管理されています。
火災や事故を防ぐ
過電流や漏電が原因で発生する火災や感電事故を未然に防ぎます。
復旧が簡単
スイッチを手動で戻すだけで電気の供給を再開できるため、ヒューズと比べて手軽です。
ブレーカーの種類
主幹ブレーカー
家全体の電気を管理するメインのブレーカーです。
過電流や異常電流が発生した際に家全体の電気を遮断します。
分岐ブレーカー
各部屋や家電ごとの電気回路を管理するブレーカー。
特定の回路に異常があった場合のみ遮断されます。
漏電ブレーカー
漏電を検知して電気を遮断します。感電事故や火災を防ぐために設置されています。
過電流ブレーカー
過剰な電流が流れた際に電気を遮断するブレーカー。家電製品のショートや過負荷に対応します。
安全ブレーカー(俗にいう子ブレーカー)
一般家庭で広く使われている、小型の分岐ブレーカー。
新しいエアコンなのに、エアコンの電源を入れたらブレーカーが落ちる!
室外機にヤモリやネズミなど他の小動物が入り込んで余計な電気が他に流れただけで漏電を検知して落ちます。
漏電元を見つける際には、子ブレーカーを一つずつ試して消去法で探っていきます。
ブレーカーの仕組み
異常を検知
電流が一定の基準を超えたり、漏電が発生したりすると自動で反応します。
子ブレーカーに〇Aと大抵書いてあるので、それをオーバーした状況が少し続くとそのうち落ちます。
子ブレーカー20Aの場合で落ちる要因
例えば、A部屋で落ちた原因を探ってみましょう。
A部屋で、ホットプレート(1200W=12A)をやりながら風呂上りで部屋でドライヤー(1000W=10A)を同時に使用しているだけでも落ちてしまいます。
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スイッチが遮断
内部のスイッチがオフになり、電気の流れを止めます。
手動で復旧可能
異常が解消されたら、ブレーカーのスイッチをオンに戻すことで電気を再開できます。
4. ブレーカーのメリット
火災や感電事故の防止
過電流や漏電を瞬時に遮断し、安全性を確保します。
復旧が簡単
漏電さえしていなければヒューズのように交換する必要がなく、スイッチを戻すだけで再利用が可能です。
家電の保護
電気異常から家電製品を守り、故障を防ぎます。
ブレーカーのデメリット
対応できる電流に制限がある
定格電流以上の電流には対応できないため、適切な容量のブレーカーを選ぶ必要や使用電力に応じてアンペア数をあげる契約を行う必要があります。
誤作動の可能性
電気が一時的に不安定になると、異常がない場合でも作動することがあります。
漏電や過電流の原因を突き止める手間
異常が発生した場合、原因を調査して修理する必要があります。
寿命がある
長期間使用すると劣化するため、定期的な点検、場合によっては分電盤(ブレーカー)の交換が必要です。
ブレーカーが落ちたときの対応方法
どのブレーカーが落ちたか確認
分電盤を開けて、どのブレーカーがオフになっているか確認します。
異常の原因を調査
同時に使用している家電の数や漏電の可能性をチェックします。
ブレーカーをオンに戻す
異常が解消されている場合、ブレーカーのスイッチをオンに戻します。
専門業者に相談
ブレーカーを戻してもすぐに落ちる場合は、先述したように、子ブレーカーを活用しながら漏電元を調査しましょう。
「まったくわからん!」というような場合は街の電気屋さんなどに相談するようにしましょう。
ブレーカーに関する豆知識
家庭の電気契約容量に注意
契約アンペア数を超えて電気を使うと主幹ブレーカーが落ちるため、使用家電の容量に気を付けましょう。
ただ、通常の使用範囲であれば落ちることはないことを頭に入れておきましょう。
漏電遮断器の重要性
漏電ブレーカーが作動すると感電や火災を防げます。設置されていない場合は追加を検討しましょう。
点検は定期的に
ブレーカーの寿命は約20~30年と言われています。あまり壊れるものではないですが、古い設備は交換が必要です。
容量アップも可能
電気使用量が多くなった場合、電力会社に相談して契約容量を変更すると快適に電気を使えます。
一戸建てでオール電化住宅にリノベーションした場合などは最低でも60A程度必要になります。
停電対策としてのブレーカー
停電時に主幹ブレーカーを一旦オフにすると、復旧後の電気トラブルを防げます。
ブレーカーの知識を入れたほうが良い人
- 安全な電気使用を求める人
火災や感電リスクを軽減したい方。 - 家電製品を保護したい人
電気異常から家電を守りたい方。 - 簡単に復旧させたい人
電気トラブル時の手間を減らしたい方。
「ブレーカー」に関するまとめ
ブレーカーは、過電流や漏電から電気回路や設備を保護する重要な装置です。
日常生活で安全に電気を使うために欠かせない存在であり、正しい使い方と定期的な点検が必要です。
トラブルが発生しても慌てず対応し、適切に管理することで、快適で安全な電気利用を実現しましょう。