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手付解除(てつけかいじょ)

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「手付解除(てつけかいじょ)」は、不動産売買契約において、買主または売主が契約締結後にその契約を解除するための方法の一つです。
契約時に支払われる「手付金」を使って、一定の条件下で契約を解除できる仕組みです。

手付解除の概要

手付金とは

不動産売買契約を締結する際に、買主が売主に対して支払う金銭のことを指します。契約の成立を保証する意味を持ちます

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解除の仕組み

買主が手付金を放棄する、または売主が受け取った手付金の倍額を買主に返還することで、契約を解除できます。

法的根拠

手付解除は、民法や宅地建物取引業法で定められており、双方が同意した条件下で適用されます。

手付解除の具体的な内容

買主による手付解除

買主は支払った手付金を放棄することで契約を解除できます。

【例】

手付金が100万円の場合、買主がその100万円を返還請求せず、契約解除を申し出る。

売主による手付解除

売主は受け取った手付金の倍額を買主に返還することで契約を解除できます。

【例】

手付金が100万円の場合、売主は200万円を買主に返還し、契約を解除する。

手付解除が認められるタイミング

一般的には、契約履行前までに限られます。具体的には、引き渡しや残代金の支払いが行われる前の段階です。

手付解除の手続き

意思表示

手付解除を行う場合、解除したい旨を相手方に明確に伝えます(書面が望ましい)。

手付金の放棄または返還

買主が手付金を放棄する、または売主が手付金の倍額を返還する形で解除手続きを進めます。

契約書の確認

契約書に定められた手付解除の条件や期限を確認し、それに従って進めます。

手付解除のメリットとデメリット

メリット

買主側のメリット

思わぬ事情で契約を履行できなくなった場合でも、手付金を放棄すれば契約解除が可能。

売主側のメリット

売主にとっても、他の買主と契約を進めたい場合に柔軟に対応できる。

デメリット

買主側のデメリット

手付金が失われるため、一定の金銭的負担が発生。

売主側のデメリット

倍額の返還が必要なため、解除に伴う出費が大きい。

解除できるタイミングに制限

契約履行後(引き渡し後など)は手付解除が適用されません。つまり、キャンセルを行うことが出来ません。

手付解除に関する注意点

契約書の条項確認

契約書に手付解除に関する特約が記載されている場合、その内容が優先されます。

解除可能なタイミング

契約履行前に限られるため、解除を検討する場合は迅速に対応する必要があります。

売買以外の影響

手付解除によるトラブルが起きると、信用問題につながることがあります。

解除時のトラブル防止

書面でのやり取りや弁護士への相談を推奨します。

手付解除に関する豆知識

手付金の金額

通常、売買金額の5~10%程度が手付金として設定されることが多いです。

手付解除の法的背景

宅地建物取引業法では、売主が宅建業者の場合、手付金の上限が20%と規定されています。

手付金返還時の注意

売主が手付金を返還する際は、現金で返すのが一般的ですが、契約書に明記があれば振込も可能です。

特約が優先される場合

契約書に「手付解除不可」や「特定条件下でのみ手付解除可能」と明記されている場合、その内容が適用されます。

第三者の関与

トラブルが発生した場合は、宅地建物取引士や法律の専門家に相談するとスムーズです。

手付解除が適している人

買主側

  • 資金調達や住宅ローン審査が通らなかった場合。(※1)
  • 物件の条件が希望に合わなかった場合。

※1 … 大半のケースで、特約条項に「ローン特約」が設定されるので、その状況はあまりないでしょう。

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売主側

  • より良い条件の買主と契約を結びたい場合。
  • 販売を中止する理由ができた場合。

「手付解除」に関するまとめ

手付解除は、不動産売買契約における特定の条件下で、買主または売主が契約を解除するための制度です。
手付金を放棄または倍額返還することで、契約を円満に解除できる仕組みとなっています。

契約書の内容や解除可能なタイミングを十分に確認し、手付解除を適切に利用することで、不要なトラブルを避けることができます。
不動産取引においては、事前の確認や専門家への相談を怠らないことが大切といえます。

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