「ローン特約」は、不動産の売買契約において、購入者が住宅ローンを利用して物件を購入する際に設けられる特約条項のことです。
主に住宅購入者が万が一ローン審査に通らなかった場合、契約を白紙撤回できるようにするための保護措置です。
「住宅ローン特約」も同じ意味です。
ローン特約の基本的な仕組み
目的
購入者が住宅ローンを利用して物件を購入する場合、ローン審査が通らなかった場合でも損失を最小限に抑えるため。
契約の条件
「住宅ローンが利用可能であること」を契約成立の条件とします。
白紙撤回の仕組み
ローン審査に通らなかった場合、手付金が返還されるなど、契約を無効にすることが可能です。
ローン特約が使われる場面
住宅購入
一般的な戸建て住宅やマンションの購入時に設定されます。
土地購入
土地を購入して住宅を建てる場合もローン特約が適用することもできます。
投資用物件
一部の不動産投資にも利用されることがありますが、個人住宅購入ほど一般的ではありません。
しかし、万が一の保険と思って売買契約前にきちんと確認しておくようにしましょう。
ローン特約の流れ
1.売買契約締結
住宅ローンを利用することを前提に売買契約を結びます。この際に、ローン特約を契約書に明記します。
2.ローン審査申請
購入者が金融機関に住宅ローンを申請。
3.審査結果の通知
住宅ローンが承認されれば契約が継続され、否認された場合は契約を白紙撤回できます。
4.特約行使の手続き
ローンが利用できない場合、特約に基づき契約解除の手続きを進めます。
ローン特約の具体例
住宅購入の場合
購入者が銀行にローンを申請し、承認されることを条件に売買契約が成立します。
万が一審査が通らない場合、購入者は手付金を含む支払いを免除され、契約が解除されます。
期限の設定
特約には通常、ローン承認を得るための期限が設定されています。
【例】
契約締結から2週間以内
ローン特約のメリット
買主のメリット
リスク回避
ローン審査が通らなかった場合でも、違約金なしで契約を解除できます。
精神的な安心
住宅ローンが利用可能か不安がある場合でも、安心して契約に進めます。
損失の回避
手付金やその他費用を失うリスクが軽減されます。
売主のメリット
購入者の信頼性向上
購入者がローン申請を行うことが条件となるため、購入意欲を確認できます。
ローン特約のデメリット
買主のデメリット
審査期間のストレス
審査結果が出るまで契約が確定しないため、不安が伴うことが多いです。
売主の信頼を損なう可能性
特約を利用して契約を解除すると、売主との関係が悪化する場合があります。
売主のデメリット
販売機会の損失
ローン特約の行使により契約が白紙撤回されると、再販売の手間がかかります。
不確実性の増加
契約が確定するまで他の購入希望者を断る必要があるため、リスクが高まります。
ローン特約の注意点
契約書の確認
ローン特約の内容を契約書に明記することが重要です。
【例】
「ローンが利用できなかった場合、手付金を返還する」といった記載でOKです。
期限の遵守
審査結果が期限内に出なければ契約解除が難しくなる場合があります。
ヒント
地方銀行であればそうでなくとも、みずほ銀行や三井住友銀行、三菱UFJ銀行などのメガバンクほど対応が遅いです。
「遅いなぁ。。」と感じれば、不動産会社の担当や申し込んだ銀行に急いでほしい旨を伝えるようにしましょう。
審査の正当性
購入者が故意にローン審査を通らないような行為を行った場合、特約の行使が認められないことがあります。
事前の相談
不動産会社や金融機関に事前に相談し、ローン審査の可能性を確認しておくと安心です。
売主との合意
ローン特約の内容について、不動産仲介業者を通じて売主と十分に話し合い、双方が納得する形で契約を結びましょう。不動産仲介業者を入れることがポイントです。
ローン特約に関する豆知識
ローン特約の行使率
住宅購入者の中でローン特約を利用する割合は多いですが、実際に行使されるケースは少数です。
つまり、過去に金融事故がなく、無難な価格の物件であればほとんどの方が審査に通るということを表しています。
※ 当記事にはプロモーションが含まれています 自己破産したから、もう住宅ローンを組めない、結婚なんかできない。 やっと喪が明けたから住宅ローンをダメ元ででも申し込みしてみたい、審査通るかな 自己破産後頑張ってきた、[…]
特約適用外の場合
ローン特約は通常、買主自身の責任でローンが利用できない場合に適用されますが、金融機関の都合で審査が遅延した場合など、適用外となる場合もあります。
特約なしの契約もある
現金購入やローン審査が既に通っている場合は、ローン特約を省略するケースもあります。
「ローン特約」に関するまとめ
ローン特約は、住宅ローンを利用して不動産を購入する際に、購入者を保護する重要な仕組みです。
特約があれば、万が一ローン審査が通らなかった場合でも契約を白紙撤回できるため、購入者にとって大きなメリットがあります。
ただし、売主との合意や契約内容の確認を怠ると、トラブルの原因になることもあるため、事前の十分な準備と確認が必要です。
不動産取引を円滑に進めるため、不動産会社のサポートを活用し、安心して契約を進めましょう。