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第二種低層住居専用地域(だいにしゅていそうじゅうきょせんようちいき)

「第二種低層住居専用地域(だいにしゅていそうじゅうきょせんようちいき)」とは、都市計画法に基づく用途地域のひとつで、主に低層住宅の建築を中心とした穏やかな住環境を保護するために設定されるエリアです。

第一種低層住居専用地域と似ていますが、わずかに建築制限が緩やかな分、小規模な店舗などを建てられる可能性がある点が特徴です。

第二種低層住居専用地域の基本理念

静かで落ち着いた住宅街の形成

高層マンションや大規模商業施設が建ち並ばないよう、建物の高さや規模を低めに抑え、のどかでゆとりある街並みを守ることが基本方針になっています。

低層住宅を中心とした住環境

原則として、2~3階建て程度の一戸建て住宅や低層アパートなどが中心です。
それによって、日当たりや風通しが確保され、周囲の景観とも調和がとりやすくなります。

第一種低層住居専用地域との違い

大まかな考え方は共通していますが、第二種低層住居専用地域のほうが、やや商業用途に対応しやすいという点で違いがあります。

小規模な店舗や事務所(一定の条件あり)を建てられる場合があるため、住環境と利便性を両立しやすいエリアともいえます。

建築できる建物の種類と制限

建てられる主な建物

  1. 一戸建て住宅や低層共同住宅(2~3階建てアパートなど)
  2. 店舗付き住宅(例えば1階が小さな店舗、2階が住居など)、ただし規模や用途に一定の制限あり
  3. 小規模な事務所・学習塾など、住環境を損なわない程度のもの

建てられない建物の例

  1. 大型商業施設(スーパー、ショッピングモールなど)
  2. パチンコ店、カラオケボックス、風俗店など、騒音や集客力の高い施設
  3. 大規模工場や倉庫

建蔽率・容積率 多くの場合、建蔽率は30~50%、容積率は50~80%程度と低く設定されます。こうした規制によって、敷地にゆとりを持たせて風通しや景観を保ち、落ち着いた街並みを実現しています。

また、高さ制限(絶対高さ制限) 地域によっては建物の高さを10mまたは12m以下に抑える「絶対高さ制限」が適用される場合があります。
これは、高層建築物を排除し、周辺の日当たりやプライバシーを守ることが目的です。

メリットとデメリット

メリット

  1. 静かで落ち着いた住環境
    商業施設や騒音の発生源となる建物が少ないため、子どもを育てる家族や高齢者にとって安心・安全なエリアです。
  2. 小規模店舗の設置が可能
    第一種低層住居専用地域に比べて、一定の条件を満たせば小さな店舗や事務所を建てられるため、住環境を維持しつつ利便性を高めやすいという点があります。
  3. 資産価値が安定しやすい
    建築制限が厳しめな分、街並みが大きく変わりにくく、長期的に落ち着いた住宅地としての評価を得られやすいといわれています。

デメリット

  1. 商業施設が少ない
    ある程度小規模店舗の建築は可能とはいえ、大型のショッピングモールなどは建てられないため、大量の買い物や娯楽を楽しむには少し不便を感じることがあるかもしれません。
  2. 建築計画の自由度が低い
    高さ制限や斜線制限、建ぺい率・容積率の制限など、設計上のルールが多く、理想の建物を実現するには制約を考慮する必要があります。
  3. 土地価格が高めになる傾向
    人気のある住宅地として認識される場合、敷地単価が高騰しやすいため、初期投資が大きくなることが考えられます。

豆知識:確認すべきポイント

斜線制限や景観条例

北側斜線制限や道路斜線制限が厳しく設定されている場合があり、高さや屋根形状に注意が必要です。
独自の景観条例を設けている自治体では、外壁色や屋根材などを規制することもあります。

接道義務と道路幅

建築基準法で敷地が幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない接道義務があるため、道路幅や敷地形状を事前に確認しておきましょう。

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将来の都市計画変更

第二種低層住居専用地域から用途地域が変更されることは稀ですが、再開発や区画整理などの都市計画が進む可能性も完全には否定できません。
長期的な視点でのエリア調査が大切です。

「第二種低層住居専用地域」に関するまとめ

第二種低層住居専用地域は、静かで落ち着いた住宅街を守りつつ、一定の範囲で小規模店舗や事務所などを建てられるという特徴を持っています。
第一種低層住居専用地域よりも利便性が高く、かつ大規模な商業施設が入りづらいことから、暮らしやすさと落ち着きを両立したい人に向いています。

ただし、建物の高さや建蔽率、容積率といった制限が比較的厳しいため、思い描く建築プランが制限に触れないか十分に確認するようにしましょう。
土地選びや建設計画を進める際には、自治体のルールや専門家のアドバイスを参考にしながら、住みやすく長く愛せる住まいづくりを目指してください。

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