「更地(さらち)」とは、建物や工作物が一切存在しない状態の土地を指します。
建物が老朽化したり、相続や売買の過程で建物を解体したりして、土地だけの状態になっているような状態です。
宅地や農地のように特定の建物や設備がないため、利用目的に柔軟性がある一方で維持管理や税金面での注意点も存在します。
更地の特徴
建物がない状態
借地権などがない純粋な土地であり、自分のプランに合わせて建物を新築したり、駐車場として活用したりできる自由度の高さが魅力です。
固定資産税が高くなりやすい
通常、建物が立っている宅地は「住宅用地の特例」によって税負担が軽減されます。
しかし、更地はその適用を受けられないため、固定資産税や都市計画税が高額になる場合が多いです。
更地のメリット
活用の柔軟性
更地はあらゆる用途に転用しやすいため、住宅地としてだけでなく、駐車場や資材置き場、太陽光発電用地など多彩な活用方法が考えられます。
売却がスムーズ
既存の建物が老朽化している場合、買主が建物を解体する手間を省くことができるため、エリアによっては売却しやすくなります。一方で、不人気なエリアや他の制限が多いエリアでは更地でも売りづらいことがあります。
更地のデメリット
固定資産税の増加
先述の通り、更地は住宅用地の特例が適用されないため、税負担が大きくなることが多いです。
防犯・管理の手間
目につきにくい土地の場合、建物がない分、無断でゴミを捨てられたり、不法投棄の温床となったりするリスクがあります。
その場合はフェンスの設置や定期的な巡回・管理が必要です。
収益性の問題
建物や駐車場などに活用しないまま放置すると収益がない一方で、税金や管理コストだけがかさんでしまいます。
更地の活用方法とポイント
建物を新築する
自由にプランが立てやすいため、注文住宅や事務所の建設に向いています。
建ぺい率や容積率、用途地域などの法令制限を事前に確認しましょう。
駐車場やトランクルームにする
商業エリアや駅近、住宅街であれば駐車場としての需要が高まります。
また、トランクルームやコインパーキングなど、比較的低コストで始められる事業も検討できます。
太陽光発電用地
市街地から少し外れた日当たりの良い土地であれば、太陽光発電パネルを設置し売電収入を得る方法もあります。
ただし、自治体の規制や設備費用、メンテナンスコストを考慮する必要があります。
豆知識:固定資産税を抑えるテクニック
小規模宅地の特例
住宅を建てることで税率が低くなります。。
将来的に住宅を建てる予定があるなら、更地のまま長期間放置するよりも早めに計画を進めるのも一案です。
仮設建物の設置
条件を満たす簡易的な建物を設置することで、固定資産税が下がる可能性があります。
ただ、実質的に利用できない建物とみなされると適用外になる場合があるため、安易な対策は避けましょう。
「更地」に関するまとめ
更地は建物がないため、土地活用の自由度が高いのが最大の魅力です。
一方で、固定資産税が高額になりやすく、不法投棄などのリスクも考慮が必要となります。
将来的に建物を建てるのか、駐車場やその他の事業で活用するのか、はたまた売却を検討するのか──。
活用方針を明確にすることで、無用なコストやトラブルを避けられるでしょう。
もし所有している更地があるなら、早めに情報を収集し、不動産会社などのアドバイスを受けながら最適な運用方法を検討してみてください。