
「コンパネ」は、「コンクリートパネル」の略称で、建設現場でコンクリートの型枠として使われる合板の一種です。
強度や耐久性に優れ、一般的な木材や合板に比べてコストパフォーマンスが高いことから、建設工事やDIYでも幅広く利用されています。
ヒント
あるあるですがコンパネというと、ただの「木板」と思われていることが多いです。
コンパネの特徴
一般的なコンパネのサイズは、高さ1800mm、幅900mm、厚さ12mmが基本で、日本農林規格(JAS)で製造されており、樹脂加工が施されています。
この厚さ12mmのものは5枚の合板が貼りあわされています。
高い耐久性
合板を複数層重ねて接着した構造で、強度が高く曲がりにくいです。
2025年は、このコンパネですら値上がりをしているものの他のものに比べるとそれでも安価です。
耐水性
表面に防水加工が施されているものであれば、コンクリート打設時の水分にも耐えられるような作りになっています。
よって屋根の下地や水回りなどにも使用されています。その際の耐用年数はおおよそ20~30年程度です。
加工がしやすい
コンパネの強みの一つが、ノコギリや電動工具で切断や穴あけが容易ということもあげられます。
表面が平滑
樹脂高校が施されているため、表面が滑らかで、コンクリートの仕上がりには影響を与えにくいです。
コンパネの用途
コンクリート型枠
主な用途で、コンクリートを流し込む際の型枠として利用されます。
これこそが名前の由来で、「コンクリート型枠用合板」とも言われています。
内装・外装
DIYで家具の基材や壁材としても使われることが多いです。
例えば、床材の補強(その後に塩ビタイル貼りなど)や仮設の床板、二重床の下地材、場合によっては内壁に使われることも多くあります。
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イベントや展示会
ステージや展示台の素材としても使用されます。
組み合わせたり、分解ができるため、舞台美術などの場面でも活躍します。
仮設工事
足場や作業台、養生シートの代わりとしても使用されることもあります。
コンパネの種類
一般コンパネ
標準的なコンクリート型枠用合板です。
用途
コンクリート型枠や仮設工事。
防水コンパネ
表面に防水加工が施されたタイプです。
用途
湿気や水分が多い環境によく使用されます。
フィルムコンパネ
表面にフィルム加工がされており、より滑らかな仕上がりが可能になっています。
そのうえ、ポリエステル材によってハードコートされているので高い耐久性があります。
用途
コンクリート型枠や高品質な仕上げが必要な場所。
ラワンコンパネ
ラワン材を使用した合板で、一般的な合板よりも強度が高いです。
用途
耐久性が求められる仮設工事。
ラワンとは?
フタバガキ科の「ラワン」という広葉樹の総称で、これらで作られたコンパネは木目がないのが特徴です。
コンパネのメリット
コンパネの特徴とかぶりますが、もう一度メリットを解説します。
コストパフォーマンス
天然木材や他の合板と比べて安価なうえ、ホームセンターでも取り扱っているので大量購入が可能です。
耐水性と耐久性
防水加工により湿気や水分に強く、屋外での使用にも適しています。
強度が高いので、コンクリートを流し込む際の圧力に余裕で耐え、さらに耐水性も高いので、コンクリートに含まれる水分が浸透することを防ぐこともできます。
再利用性
数回の使用が可能なので、使い回すことでコスト効率に優れています。
コンパネのデメリット
重量がある
厚みやサイズによっては、取り扱いに力が必要です。
防水加工の限界
長期間の水濡れや過酷な環境では、膨張や変形が起きる場合がある。
仕上げには追加加工が必要
基本的に表面はザラザラしている、かつ引っかかりが多く、塗装やラミネート加工を施さないと、見た目が工事用のままです。
また多少のゆがみがある場合もあります。
環境への影響
基本的には、人が住む家の中で使用することを想定していないため、接着剤が国の安全基準を満たしていないことがあります。
同時にそれが放散する可能性もあります。
耐火性の低さ
木材であるため、どうしても火には弱いです。よって、防火性が求められる場所での使用は適切ではないです。
コンパネの選び方
用途に合わせた厚み
一般的な厚みは12mmから15mmでメーカーによって異なります。強度が必要ならより厚いものを選ぶようにしましょう。
防水性能
水に触れる可能性がある場合、防水加工が施されたものを選ぶようにしましょう。
表面の滑らかさ
コンクリートの仕上がりを重視する場合は、フィルム加工された製品を選びましょう。
コンパネに関する豆知識
標準サイズ
通常、900mm×1800mmが一般的なコンパネのサイズで、建築現場ではもちろんDIYでもこのサイズが多用されます。
このサイズを「サブロク」と呼び、600mm×1800mmは「ニロク」と呼びます。
尺(しゃく)とは
長さの単位で1尺は約30.3cm。尺アジといえば30cmを越えた魚のアジを指しますが同じ意味です。
尺貫法で用いられ、サイズの呼び名はそれらが由来になっています。
ちなみに、6尺=1800mmは、1間(いっけん)と呼ばれます。3尺=900mmは、半間(はんげん)です。
ホルムアルデヒド規制
建築基準法では、低ホルムアルデヒド仕様(F☆☆☆、F☆☆☆☆)の合板が推奨されています。
リサイクルが可能
使用後のコンパネは、型枠として再利用することも出来ます。ただし、その場合には強度や寸法に変化が起きている場合があるので、劣化を確認するようにしましょう。
粉砕して再利用したり、家庭菜園の床材などでは劣化を気にすることなく、簡単に再利用出来ます。
DIY用途が増加
コンパネは、安価で加工しやすいため、家具や収納棚の制作の代表です。
地域による呼び名
地域によっては、単に「型枠合板」「建築用合板」と呼んでいるところもあります。
「コンパネ」に関するまとめ
コンパネは、建築現場やDIYで幅広く利用されるコストパフォーマンスの高い素材です。
その耐久性や加工のしやすさから、初心者からプロまで幅広い層に支持されていますが、一方で用途や環境に応じた選択が必要で、適切な製品を選ぶことでその性能を最大限に活用できます。
コンパネの特性を理解し、あなたのプロジェクトに最適な選択をしてみてください!