「マンション」とは、鉄筋コンクリート(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)など、頑丈な構造を採用した集合住宅のことを指します。
一般的には、3階建て以上の大規模な建物が当てはまり、オートロックやエレベーターなどの共用設備が充実しているのが特徴です。
ただ、実際のところは不動産業界では法的に明確な定義があるわけではなく、地域や慣習によって呼び方に差がある場合もあります。
マンションの主なメリット
頑丈な構造と防音性
マンションは、RC造やSRC造といった重量構造が主流です。
そのため、耐震性に優れ、隣室からの生活音や上下階の足音などを軽減しやすい点が挙げられます。
アパートと比べるとはるかに高い防音性能があります。
さらにコンクリートを使用しているので万が一の火災発生時においても、火が燃え移りにくいという点もあります。
「RC構造(アールシーこうぞう)」とは、鉄筋コンクリート造を指し、鉄筋(スチールバー)を中に組み込み、そこにコンクリートを流し込むことで一体化させた建築工法のことです。コンクリートの圧縮強度(押す力への強さ)と、鉄筋の引張強度(引っ張る[…]
共用設備が充実
エレベーター、オートロック、防犯カメラ、宅配ボックスなど、暮らしを快適にする設備が整っていることが多いです。
さらにグレードの高いタワーマンションといわれるような部類では、コンシェルジュサービスやフィットネスルーム、ゲストルームなどを備えるケースもあります。
管理組合によるメンテナンス
俗にいう分譲マンションでは、住民が管理組合を組織し、修繕積立金を積み立てるシステムが一般的です。
共用部分の修理や清掃、エレベーターの点検などを計画的に行うため、建物全体が長期的に快適・清潔に保たれやすいでしょう。
セキュリティ面の安心感
オートロックや管理人の巡回など、防犯に配慮した仕組みがあるため、一人暮らしや高齢者世帯、女性などが安心して暮らしやすい点もマンションの魅力といえます。
マンションのデメリットや注意点
管理費・修繕積立金の負担
高い設備水準を維持するには費用がかかります。
月々の管理費や修繕積立金はマンションに住む限り支払い続ける必要があり、長期的には大きな負担となることもあります。
ただ、これらは俗にいう分譲マンションに多く、いくら高層マンションでもただの賃貸マンションであったら、共益費という費用は必要であっても修繕積立金のようなものは徴収されません。
リフォームの自由度が低い
部屋の構造によっては、間取り変更や配管工事などに制限がある場合が多いです。
特に共用部分(外壁や廊下、フローリング変更、配管など)は管理組合の許可を得なければ改修できないケースが多いです。
上下階・隣室の生活音
RC造だからといって造りによっては、騒音がまったくないわけではありません。
マンションでも、周囲の生活音が気になる場合があるため、入居前に壁の厚さや床材、防音性能をチェックするのが賢明です。
ただ、SRC造になると生活音はかなり低減します。
管理組合の運営リスク
管理組合の活動に住民同士の協力が不可欠ですが、役員のなり手不足や合意形成の難しさが問題化するケースも。
また、大規模修繕の方針や費用分担を巡って意見が対立することもあります。
マンション選びのポイント
立地・交通アクセス
通勤通学や買い物の利便性を考慮し、最寄り駅や商業施設、医療機関などへのアクセスをチェックします。
駅から遠いほど価格は下がりやすい一方、バス便を含めた交通手段が充実しているかを確認しましょう。
築年数と構造
築古マンションでも、しっかりと修繕やリノベーションが行われている場合は快適に暮らせます。逆に、新築でも工法や材料が安価な場合はトラブルの元になることがあるため、構造や施工実績を調べてみてもよいでしょう。
管理状態
エントランスや共用廊下、駐輪場、ゴミ捨て場などを現況を見れば、管理が行き届いているかどうかをある程度把握することができます。管理会社の評判や修繕積立金の現状、管理組合の活動状況などをチェックしておくと安心です。
眺望や採光、通風
部屋の向きや周囲の建物の高さなどによって、日当たりや風通しが大きく変わります。窓からの景色や採光が暮らしに直結するため、モデルルームや内見時にじっくり確認しましょう。
賃貸物件ならまだよいですが、分譲マンションでいくら安いからといって購入してしまったあとはやり直しができないので慎重に検討するようにしましょう。
セキュリティ・設備
エレベーターの設置階数やオートロックの有無、ゴミ置き場の清掃状況など、日々の生活の快適さに関わる設備を漏れなく確認することが大切です。
マンションに関する豆知識
中古マンションのリノベーション
中古マンションを購入して、自分好みにリノベーションする動きが注目されています。
間取りや設備を一新することで、新築に近い快適さを得られる場合があります。
修繕積立金の推移をチェック
極端な例ですが長期的に見て修繕積立金が不足すると、大規模修繕が先送りになり、建物の寿命が縮むリスクもあります。中古で購入する際には、過去の管理組合の議事録や修繕積立計画をできるだけ確認させてもらいましょう。
「マンション」に関連するまとめ
マンションは、堅牢な構造や充実した共用設備、防犯性の高さなどが魅力で、多くの人にとって魅力的な選択肢となり得ます。
しかし、管理費や修繕積立金などの固定コストがかかる点や、管理組合運営の煩わしさ、リフォームの自由度が低いなど、考慮すべき要素も少なくありません。
住み心地や将来の資産価値、ライフスタイルとの相性を考えながら、立地や構造、管理状況をしっかり確認し、自分に合ったマンションを選ぶようにしてみましょう。