「クッションフロア」とは、ポリ塩化ビニル(PVC)を主素材とした床材の一種で、名前の通りクッション性があり、足ざわりが柔らかいのが特徴です。
シート状になっており、住宅のキッチンや洗面所、トイレなどの水回りで特によく使用されています。
耐水性、デザイン性、施工の手軽さから、住宅だけでなく店舗や公共施設でも広く使われています。
不動産会社や内装業者からは一般的にCFと呼ばれたりします。
クッションフロアの特徴
足ざわりが柔らかい
表面がPVCで作られているため、適度な弾力性があり、素足で歩いても快適な触感を得られます。
子どもや高齢者のいる家庭でも安心して使用できます。
防水性・耐水性に優れている
水や汚れを弾くため、洗面所やトイレ、キッチンなどの水回りの床材では特に適しています。
水をこぼしても簡単に拭き取ることができます。
デザインが豊富
木目調や石目調、タイル調など、さまざまなデザインが用意されており、好みに合わせて選ぶことが可能です。
施工が簡単
薄くて柔らかい素材なので、DIYでの施工も比較的簡単です。
床にカッターで合わせて切り、接着剤や両面テープで貼るだけで施工できます。
低コスト
他の床材に比べて価格が安く、手軽に部屋の雰囲気を変えることができます。
低コストなので、賃貸物件でも大活躍します。
クッションフロアのメリット
掃除がしやすい
汚れがついても水拭きや中性洗剤で簡単に落とすことができます。
ダニやカビが発生しにくい素材で、衛生的にも安心なところもポイントの一つです。
衝撃吸収性がある
落としたものが割れにくく、小さな子どもやペットがいる家庭での安全性が高いです。
防音効果がある
適度な厚みがあり、足音を吸収する効果があります。
マンションやアパートなどの集合住宅でも使いやすい素材です。
施工や張り替えが容易
クッションフロアは軽量で取り扱いがしやすいため、DIY初心者でも扱いやすいです。
局所的な床鳴り部分など、必要に応じて部分的に張り替えることも可能です。
リフォームに最適
既存の床材の上からそのまま貼れるため、短期間で簡単に部屋の印象を変えることができます。
クッションフロアのデメリットや注意点
耐久性に限界がある
表面は傷や摩耗に強いものの、鋭利なものや重い家具で圧迫されると凹みや傷がつきやすい場合があります。
洗濯機や冷蔵庫のあとがよく丸く凹んでいます。
高温に弱い
PVC素材の特性上、高温になる場所や直射日光が当たる場所では変形や色あせが起きることがあります。
本物感に劣る場合がある
木目調や石目調のデザインはリアルに再現されていますが、近くで見ると本物のフローリングやタイルと違いが分かる場合があります。
耐水性が強いので水回りにだけクッションフロアを使用し、リビングや廊下などには塩ビタイルを貼ることでグッとお洒落な空間が出来上がります。
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滑りやすい製品も
製品によっては滑りやすい場合があり、用途に応じた選び方が必要です。
防滑加工が施されたタイプを選ぶと安心ですね。
下地が重要
薄い素材のため、下地が凸凹しているとそのまま反映されてしまいます。
例えば、下地コンクリートがひび割れたまま貼ってしまうとそのまま浮き上がります。
ですので、施工前の下地処理が重要です。
クッションフロアに関する豆知識
選ぶ際のポイント
- 使用場所に合ったデザインと性能
水回りでは防水性や防滑性を重視し、リビングなどではデザインや耐久性を重視すると良いです。 - 厚みの確認
一般的には1.8mm~3.5mm程度の厚みがあり、使用場所や目的に応じて選びましょう。厚みがあるほど快適な踏み心地が得られます。
メンテナンスのコツ
定期的に中性洗剤を使った水拭きを行うことで、汚れが蓄積するのを防ぎます。
鋭利なもので傷をつけないように注意し、家具の脚には保護マットをつけると安心です。
DIY初心者におすすめの貼り方
両面テープを使った施工は簡単で、賃貸物件でも剥がしやすいため人気があります。
カッターでの切り出し時は、床材をしっかり固定して慎重に行いましょう。
ペットや高齢者向けの製品
滑りにくく傷に強いクッションフロアも販売されています。
ペットの足腰の負担軽減や高齢者の転倒防止に役立ちます。
クッションフロアが適した場所
- キッチン
汚れや水濡れが気になる場所に最適 - 洗面所・トイレ
防水性が高く清掃が簡単 - リビング
木目調デザインでおしゃれな空間に。他、レベルをあげれば塩ビタイルという選択肢も。 - 店舗やオフィス
手軽に内装を整える場合に便利。他、長尺塩ビシートという選択肢も。
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「クッションフロア」に関するまとめ
クッションフロアは、耐水性やメンテナンス性に優れた床材で、リフォームやDIY初心者にも扱いやすい素材です。
特に水回りやペットがいる家庭など、実用性を求める場面で大活躍します。
価格が手頃でデザインも豊富なため、費用を抑えながら理想の空間を実現するのに最適です。
選ぶ際には、用途に合った性能やデザイン、施工方法を確認し、下地処理や日常のメンテナンスを適切に行うことで、長く快適に使える床材として活用できるので、ぜひクッションフロアを上手に取り入れて、快適でおしゃれな住まいを手に入れてみてください。