
「ドアクローザー」は、ドアを自動的にゆっくりと閉めるための装置で、住宅のドアをはじめ、商業施設や公共施設に取り付けられ、静かで安全なドアの開閉をサポートしています。
閉じる速度や力を調整できる機能があり、快適性と安全性を向上させるために欠かせないパーツです。
その他、ドアチェック、ドアチェッカー、ドアストッパー、ドアマン、クローザーともいいますが、すべて同じドアクローザーを指しています。
ドアクローザーの仕組み
油圧式の動作
ドアを開ける際、内部のシリンダーに油が移動し、閉じるときにその油圧を利用してゆっくりと戻る仕組みです。
速度調整機能
ドアが閉じる速度を調整するバルブが内蔵されており、静かに閉じるように設定できます。
ただし、締めすぎると逆に閉まるのが遅くなりすぎるので注意が必要です。
ストッパー機能(オプション)
一部のドアクローザーには、ドアを特定の位置で固定するホールドオープン機能が付いているものもあります。
ドアクローザーの用途
商業施設
店舗やオフィスの出入口で、ドアを自動的に閉じることで冷暖房効率を維持。
公共施設
学校や病院で、ドアの開閉をスムーズにし、騒音や衝撃を防止。
住宅
玄関や室内のドアで、ゆっくりと静かに閉まることで安全性を確保。
防火扉
火災時に自動で閉じることで、煙や火の拡散を防ぐために必須。
ドアクローザーの種類
表面設置型
ドアの表面に取り付ける一般的なタイプ。
用途
住宅や商業施設のドア。
隠し型(埋め込み型)
ドアの内部やフレームに埋め込むタイプで、見た目がスッキリ。
用途
デザイン性が求められる場所。
フロアヒンジ型
ドアの下部に設置し、ドアの開閉をサポート。
用途
大型のガラスドアや回転ドア。
クローザー付きヒンジ
ヒンジ部分にクローザー機能が内蔵されたもの。
用途
軽量ドアや住宅の室内扉。
防火扉用ドアクローザー
防火基準を満たし、火災時に自動で閉じる機能を備えたタイプ。
用途
公共施設や商業施設。
ドアクローザーのメリット
安全性の向上
ドアが勢いよく閉まるのを防ぎ、指を挟む事故やドアの破損を防止します。
快適な閉まり方
ドアが静かに閉まります。よってバタンッ!という音がないため騒音が抑えられます。
ドア開放が出来る
ドアクローザーがあるだけで、ドアを開けっぱなしにすることが出来ます。
耐久性の向上
ドアの開閉衝撃を抑られることから、結果としてヒンジ(蝶番)やドア枠の寿命を延ばします。
消耗時が分かりやすい
ドアクローザーから油が漏れているともうそのドアクローザーは機能していません。
修理も不可能なので新品に取り替えが必要ということが一目でわかります。
ドアクローザーのデメリット
初期コスト
製品の価格と取り付け費用が発生します。
一般的なアパートのドアであれば14,000~18,000円で取り替えができます。
開閉速度の慣れが必要
初めて使う人には、閉じる速度が予想と違うと感じられることがあります。
調整することで自分の好みの速度に変えることが出来ます。
ヒント
調整するにはプラスドライバーやマイナスドライバー、六角レンチが必要です。
ドアクローザーの調整ネジを確認して必要な工具を準備してください。
設置スペースの制約
一部のタイプでは、ドアや周辺スペースに十分な余裕が必要です。
ドアクローザーの選び方
ドアの重量に合わせる
製品には適応するドア重量の目安が表示されているため、それに従って選ぶようにしてください。
不明な場合はサッシ屋さんなどに問い合わせをしてみると良いでしょう。
設置場所の環境
屋外用の場合、耐候性や耐腐食性が高い製品を選ぶ。
機能性の確認
ストッパー機能や速度調整機能など、必要なオプションを確認。
デザイン性
隠し型やコンパクトなデザインがある場合、室内インテリアに調和させたい場所に最適。
防火対応
防火扉には、法律で定められた基準を満たす製品が必要です。
これも同じくサッシ屋さんに問い合わせするのが良いでしょう。
ドアクローザーに関する豆知識
防火扉の義務化
日本では、防火地域や準防火地域では防火扉にドアクローザーの設置が義務付けられています。
DIYでの設置も可能
一部の製品は簡単な工具で取り付けられるため、DIYが得意な方には自分で取り換えてみる、取り付けてみても良いかもしれません。
海外製品との違い
日本製は耐久性と静音性が優れているものが多く、商業施設や住宅で好まれます。
海外製は日本製との互換性がないものも多いため、いざ壊れた時のためにも最初から日本製を使うことをおすすめします。
ドアクローザーが適している場所
- 商業施設
ドアの頻繁な開閉がある出入口。 - 住宅の玄関
静音性や安全性が求められる場所。 - 公共施設
防火基準を満たす必要がある避難経路。 - ホテルや病院
快適性と安全性を重視する施設。
「ドアクローザー」に関するまとめ
ドアクローザーは、ドアの静かで安全な閉まり方を実現する便利な装置です。
商業施設から住宅まで、幅広い用途に対応し、安全性や快適性、取り付け箇所によっては省エネ効果を提供します。
設置する際は、ドアの重量や用途に応じた製品を選び、定期的なメンテナンスを行うことで長期間にわたり快適に使用できます。適切なドアクローザーを選んで、安全で快適な生活空間を作りましょう。