注目キーワード

軽量鉄骨(けいりょうてっこつ)

「軽量鉄骨(けいりょうてっこつ)」とは、厚さが6mm未満の鋼材を主要な骨組みに使用した建築工法のことを指します。
木造と比べて火災やシロアリなどのリスクが少なく、耐久性に優れている一方、鉄骨造の中では比較的軽量の材料を使っているため、低層住宅やアパートなどの集合住宅に多く採用されます。

軽量鉄骨の基本的な仕組み

鋼材の厚さ

軽量鉄骨は、厚さ6mm未満の鋼材(主にH形鋼やC形鋼など)を組み合わせて柱や梁(はり)を形成し、その上に壁や屋根を取り付ける構造です。これに対して、厚さ6mm以上の鋼材を使うものを「重量鉄骨(じゅうりょうてっこつ)」と呼びます。

関連記事

「重量鉄骨」とは、厚さ6mm以上の鋼材を柱や梁(はり)の主要構造部に使用した建築工法のことを指します。木造や軽量鉄骨(厚さ6mm未満の鋼材を使用)と比べて、はるかに頑丈な骨組みを形成できるため、大規模な建物や中高層の集合住宅、耐震性を重[…]

IMG

枠組みとパネルの組み立て

柱や梁、土台などのフレーム(骨組み)を組み立て、その上に壁パネルや床パネルを取り付ける施工方法が一般的です。
工場であらかじめ加工した材料を現場で組み立てるため、工期が比較的短く済みます。

耐久性と軽量性の両立

鉄骨ならではの強度に加え、部材が薄いため軽いという特徴を持つのが軽量鉄骨の最大の強み。
木造より火災やシロアリに強く、重量鉄骨よりも工事コストや負担が抑えられる点が評価されています。

軽量鉄骨のメリット

火災や害虫リスクが低い

金属製の骨組みを使用するため、木造に比べて燃えにくく、シロアリ被害に遭うことがほとんどありません。耐久性の面で安心感が高く、特にアパートや賃貸物件では採用例が多く見られます。

間取りの自由度

鉄骨によるフレーム構造のおかげで、比較的広い空間を柱の少ない状態で確保できます。大きなリビングや開放的な吹き抜けなど、自由な間取り設計にも対応しやすいでしょう。

工期が短め

プレカット(工場での先行加工)された鋼材を現場で組み立てる方法が主流のため、木造よりも施工がスピーディに進むケースがあります。短期間で建築したい人や、ビジネスとして不動産投資、不動産活用を考えている人には大きな魅力です。

軽量鉄骨のデメリットや注意点

遮音性能や断熱性能の対策

RC造(鉄筋コンクリート造)に比べると、防音・断熱面では注意が必要です。
空洞が生まれやすい壁や床に断熱材や防音材をしっかり入れる施工が行われないと、夏の熱や冬の寒さ、隣室や上下階の音漏れが起きます。

錆(さび)対策

鉄を使っているため、湿気や結露などで錆が発生するリスクがゼロではありません。防錆塗装や防水処理などのメンテナンスをこまめに行うことで、建物の寿命を延ばせます。

コスト面

木造に比べると資材コストがやや高めで、重量鉄骨と比べれば安価なものの、大規模建築や耐震性能を強化する場合には費用がかさむことがあります。設計や工事内容によって差が出る点を要確認です。

地震時の揺れ方

ある程度軽量であるがゆえに、地震の揺れをダイレクトに感じる可能性があります。構造計算や制震・免震装置の有無など、耐震性能の説明をきちんと聞いておくと安心です。

軽量鉄骨に関する豆知識

ツーバイフォーとの比較

木造ツーバイフォー工法もパネルで囲む構造ですが、使用する材料や特性が異なります。ツーバイフォーは木材を組み合わせるのに対し、軽量鉄骨は金属製の柱や梁を用いる点で大きく違います。

大家業やアパート経営

軽量鉄骨は耐久性や工期の短さから、アパートや賃貸経営に向いています。複数階建てでコンパクトに部屋を区画しやすいため、土地の有効活用にも一役買うでしょう。

火災保険などの保険料

木造よりは火災保険のリスク区分が低く、ただしRC造よりは高い、というように中間的な位置づけになることが多いです。
保険料の算定では建物構造の種類が考慮されるため、事前にチェックすると良いでしょう。

長期優良住宅との相性

耐震性や省エネルギー性能などの条件を満たすことで、長期優良住宅の認定を受けることが可能です。税制優遇や補助金を活用できるケースもあるため、建築前に検討してみる価値があります。

「軽量鉄骨」に関するまとめ

軽量鉄骨は、適度な強度と軽さを両立した建築工法で、木造より火災やシロアリ被害に強く、RC造よりも施工が容易という特徴を持ちます。
アパートや戸建ての新築物件でよく採用され、耐久性や工期短縮の面から人気があります。

一方で、遮音・断熱対策や防錆処理、メンテナンス面に注意しないと、住み心地や建物の寿命に影響が出る可能性も。設計や施工会社の実績、技術力をしっかり調べたうえで、コストや将来のリフォーム計画も含めて検討しましょう。軽量鉄骨の特性をきちんと理解すれば、快適で長持ちする住まいづくりに活かせるはずです。

不動産会社での物件紹介時には「鉄骨造」と一まとめにされていることがあるので、詳細を知りたければスタッフに確認するようにしましょう。

 data-src=">不動産問題の解決ノート" width="1280" height="600" >

不動産問題の解決ノート

所有の賃貸不動産が満室にならず悩んでいる方、不動産投資を考えている方は必見!ぜひ一緒に理想の満室経営を目指して取り組んでみましょう。
他、入居者目線での不動産のあれこれを掲載中!

原則リンクフリーです。リンクを行う場合の許可や連絡は必要ありません。
リンクの設定をされる際は、「不動産の問題解決ノート」へのリンクである旨を明示ください。