「代位弁済」(代弁)とは、本来債務を支払うべき人(債務者)の代わりに、第三者が債務を弁済(支払い)することを指します。
債務者が支払うことが困難な場合などに、債権者に対する支払いが滞らないようにするための仕組みです。
保証会社が代弁を行うと多くの場面で、信用情報機関には異動情報(俗に言うブラックリスト)がつくことが多いので極力避けるべきです。
代位弁済の基本的な仕組み
債務者
本来、債務を負っている人(借金をしている人など)。
「債務者(さいむしゃ)」は、契約や法律に基づいて、特定の義務(債務)を履行する必要がある人や法人を指します。たとえば、お金を借りた場合、その返済を行う義務を負う人が「債務者」となります。債務者の役割と義務債務の履行債務者は、[…]
債権者
債務者からお金や義務の履行を受ける権利がある人。
「債権者(さいけんしゃ)」は、契約や法律に基づいて、他人に対してお金や物、サービスを請求できる権利(債権)を持つ人や法人のことを指します。たとえば、お金を貸した相手に返済を請求できる人は、そのお金に対する債権を持つ「債権者」となります。[…]
弁済者(代位者)
債務者の代わりに支払いを行う第三者。弁済をしたことで、債権者の権利を引き継ぎます。
代位の権利
代位弁済を行った弁済者は、支払い後に債権者と同じ権利を持つことができます。これを「求償権」といいます。
代位弁済が行われるケース
保証人による代位弁済
債務者が借金を返済できない場合、保証人が代わりに支払う。
【例】
住宅ローンで債務者が返済不能になったとき、保証会社が代わりに弁済。
第三者による救済的弁済
家族や友人が、債務者を救済するために代わりに支払う。
金融機関の介入
ローン契約で連帯保証人や保証会社が代位弁済を行うことがあります。
債務者の財産保全
債務者の財産が差し押さえられるのを防ぐために、第三者が弁済する場合。
代位弁済の具体例
住宅ローンの場合
債務者が返済不能に陥った場合、保証会社が銀行に代位弁済を行い、保証会社が債務者に求償権を行使する。
賃貸契約の場合
賃借人が家賃を滞納した際、保証会社が家主に代位弁済を行う。その後、保証会社が賃借人に滞納分を請求。
友人や家族が支援する場合
借金返済に困った友人や家族のために、第三者が債務を肩代わりして支払う。
代位弁済のメリット
債権者の保護
債権者は、債務者が支払えなくても第三者から支払いを受けられるため、損失を回避できる。
債務者の救済
債務者は一時的に支払いから解放され、財産差し押さえなどのリスクを回避できる。
注意
あくまでも一時的です。
それから2~3ヶ月以内には保証会社より、代弁分の請求が来るので債務から解放されるわけではありません。
債権の移転
弁済者は代位により債権者の権利を引き継ぎ、将来的に債務者から回収できる可能性がある。
代位弁済のデメリット
弁済者の負担
弁済者は、自ら支払った金額を債務者から回収する責任を負う。
求償が困難な場合がある
債務者が破産していたり、財産がない場合、弁済者が代位弁済をしても回収できない可能性がある。
債務者の信用問題
代位弁済が行われたことで、債務者の信用が損なわれる場合がある。
保証人のリスク
保証人は、債務者が返済不能になった場合に、自分の財産で弁済を行う義務を負う。
代位弁済の注意点
契約内容の確認
保証人や保証会社が必要な場合、その契約内容を事前に把握しておくことが重要といえるでしょう。
求償権の行使
弁済者は債務者に対して求償権を行使できるが、現実的に回収可能かを確認する必要があります。
法律相談の活用
代位弁済が絡む複雑なトラブルでは、弁護士などの専門家に相談することが推奨されます。
保証人になるリスク
保証人になる際は、自分が代位弁済を行う可能性を十分に理解しておくようにしましょう。
代位弁済に関する法律
民法(2020年改正)
代位弁済に関するルールが明確化され、弁済者の権利や債務者との関係について整理されています。
保証人保護の強化
保証人が代位弁済を行う場合、事前にリスクや状況を詳しく説明する義務が課されています。
代位弁済に関する豆知識
保証会社の役割
現在の住宅ローンや賃貸契約では、保証会社が代位弁済を行う仕組みが一般的です。
家賃保証会社とは?家賃保証会社は、借主が家賃を支払えない場合に、貸主へ家賃を立て替えるサービスを提供する企業です。この仕組みによって、貸主は家賃収入の不安を軽減し、借主は連帯保証人を用意する必要がなくなります。家賃保証会社の主な[…]
連帯保証と代位弁済
連帯保証人は、債務者と同等の責任を負うため、代位弁済が求められる頻度が極めて高いです。
自己破産後の代位弁済
債務者が自己破産しても、保証人や弁済者には求償権が行使されることが大半です。
「代位弁済」に関するまとめ
代位弁済は、第三者が債務者に代わって支払いを行う仕組みで、債権者、債務者、弁済者の間で重要な役割を果たします。
特に保証人や保証会社が関与する場合、その責任範囲やリスクを事前に理解しておくことが大切です。
代位弁済は債務者にとって一時的な救済手段ですが、弁済者にとっては財産負担を伴うため、契約内容の確認や専門家への相談を怠らないようにしましょう。