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シロアリ(しろあり)

シロアリ

「シロアリ」は、木材を主食とする昆虫で、建物の木材部分や家具などを食害し、深刻な被害をもたらす害虫です。
シロアリは世界中に分布しており、日本では特にヤマトシロアリやイエシロアリがよく知られています。見た目は小さなアリに似ていますが、実際はゴキブリの仲間で、湿気の多い環境を好みます。

シロアリの特徴

集団生活を送る社会性昆虫

シロアリはゴキブリの仲間とはいえ、シロアリは「巣」を作り、女王アリ、働きアリ、兵隊アリなど役割分担をして生活しています。
アリに似た特徴が多くとも、生物学的にはゴキブリ類に分類されています。

湿気を好む

シロアリは湿気を好み、水分を含んだ木材や段ボールなどを餌としています。
そのため湿度の高い場所や薄暗い環境で活動し、木造住宅に被害を与えることが多いです。

目に見えない被害を引き起こす

建物の内部や床下で活動するため、被害が表面化するまで気づきにくいです。

日本の主要な種類

  • ヤマトシロアリ
    北海道を除く全国に分布し、湿った木材を好む。
  • イエシロアリ
    主に温暖な地域(西日本)に生息し、大規模な被害をもたらすことがある。

ヤマトシロアリ、イエシロアリが代表的な種ですが、働きアリレベルで見分けるのは大変難しく、パッと見ても区別がつきません。
ヤマトシロアリが若干ふくよかな体系をしているとしても、互い種を横隣りにおいて見比べないと全く分かりません。

シロアリ被害の内容

建物の土台や柱、梁(はり)などの木材を食害することで、建物の強度が低下して、家の安全性や耐久性が低下します。
さらにシロアリは木材のほかにも、プラスチックやゴム、繊維、皮革、人骨、煉瓦、コンクリートなどにも被害を与えます。

シロアリの被害だ!と思って調査したところ、ただたんに木材が腐っていたというケースもあり、そうなると無駄な費用が掛かってしまうため、特徴を見分けるようにしましょう。

木材の食害

シロアリは木材を食料としているため、純粋に木材の食害を受けます。
シロアリに侵された家屋の柱や床、壁などの木材部分が弱くなり、建物の耐久性が低下します。
腐食同様、フワフワしたりする感じがありますが、見分ける特徴として、食害された部分に土っぽいものがついている場合はシロアリの被害です。

家具の損傷

同様に、シロアリがタンスやテーブルに進出してくれば、木製家具が食害されることがあります。

見た目の損傷

シロアリの被害

被害箇所が剥がれたり、不自然な無数の穴が開いたります
男の子であれば、クワガタやカミキリムシが住み着いた樹木を想像すると見分けるのに容易です。

電気設備・火災による被害

木材を侵している最中に、なんらか原因で電気配線が影響を受けることや、電気設備の近くにコロニーを形成すればショートすることもあり、それらが火災の原因になることがあります

シロアリ被害の兆候

羽アリの発生

春から初夏にかけて羽アリが大量発生する場合、近くにシロアリの巣がある可能性があります。
姿は見かけなくても屋内や玄関先に、大量の羽が落ちていることを見かけたらその可能性が極めて高いです。
羽の特徴は4~6mm程度の薄茶色い羽です。

木材が空洞化する音

木材を叩くと空洞音がする場合、内部が食害されている可能性があります。
もっと分かりやすくいえば、怪しい、、と思えばその木部を軽くたたいてみましょう。シロアリ被害がある場合、どう考えても軽い音がします。

泥状の管(蟻道)

シロアリが通るための道として、土や糞で作られた蟻道が見られることがあります。

床や壁の異常、建付けが悪くなる

床が沈む感じがしたり、壁に小さな穴が開いていたりする場合は要注意と同時に、ドアや窓の建付が悪くなります。
これについては当然、経年劣化としても見られるものですが、それなりに短時間で進むのでそのあたりで見分けるしかありません。

シロアリ被害の防止策

そもそも建築基準法では、シロアリ対策が定められ、それに合わせて建築されていますが、建ってしまっている家に関しては後から施工が出来ないものもあります。
ここでは建ってしまっている家(特に古い家)を前提に防止策を解説します。

建物の湿気対策

床下の通気を良くし、換気口を確保する。湿気を防ぐために除湿機や換気扇を活用します。
根本的な解決には防湿シートの敷設も一つの手になります。
ただし、防湿シートの敷設はシロアリを見つけてからというよりかは大規模リフォーム時に行うべきでしょう。

定期的な点検

専門業者に依頼して、床下や木材部分を定期的に点検してもらいましょう。
点検の頻度は、一般的に5年ごと、山のふもとにある家、築年数から相当な時間が経過している場合には1年に1回程度が目安です。
古くなった家では建材以前に、様々な個所が傷み、余計に侵入されやすいです。

木材の処理

防蟻処理が施された木材を使用することで、シロアリの被害を防ぐことができます。
ゴキブリ駆除にホウ酸団子と呼ばれるものがありますが、

隙間の封鎖

基礎部分や床下への隙間を埋めることで、シロアリの侵入を防ぎます。

不要な木材を放置しない

建物周辺に木材や段ボールを放置しないようにしましょう。
シロアリはゴキブリ同様、性質は異なるものの雑食性で基本的にはなんでも食べます。
木材や段ボール以外にも、本や畳、衣類も食べて侵してしまいます。
よって散らかしている状態はとてもまずいので、清潔な環境を維持するようにしましょう。

シロアリの駆除方法

薬剤散布

専用の防蟻薬剤を使用して、シロアリの生息場所に散布します。
シロアリ駆除の薬剤はいくつか種類がありますが、その中でもフェニルピラゾール系であるフィプロニルと呼ばれる薬剤が有名です。
この薬剤はシロアリが気づかないうちにコロニー内で拡がり、殺虫していきます。
その他、ニコチン成分を含むネオニコチノイド系やピレスロイド系(蚊取り線香などの成分)の薬剤がありますが、少なからず人体にも影響が及ぶものもあるため、使用する場所や散布量など状況に応じて適宜使用して駆除するようにしましょう。

ベイト工法

シロアリが好む餌に毒を混ぜたベイトを設置し、巣全体を駆除する方法です。
基本的にはゴキブリの仲間であるため、その摂取したベイト剤はコロニーに運ばれ、仲間同士で共有し食べることで巣の中まで効果が広がります。
シロアリが好むセルロース(木材由来の成分)に混ぜることによって効果を発揮します。

熱処理

高温処理を施して、木材内部のシロアリを死滅させる方法です。
例えば巣をめがけて高温(70度以上)のお湯をかけ、熱処理することで駆除します。
しかし、これにもデメリットがあり、最終水浸しになった壁や木材が変色や腐食の原因となるため、あまりお勧めはしません。

専門業者に依頼

被害が大きい場合は、専門の防蟻業者に調査・駆除を依頼するのが確実です。
ただし、その被害の内容によってスズメバチ駆除業者以上に費用が掛かることが多いため、予算と相談しながら行いましょう。
シロアリ駆除に多額の費用をかけるのであれば、持っていてもしょうがない古い家などであれば解体して売却してしまうほうがメリットであることもあります。

シロアリに関する豆知識

羽アリと黒アリ(クロアリ)の違い

羽アリはシロアリ(ゴキブリ目)の繁殖期に見られる形態で、黒アリ(クロアリ=ハチ目)とは異なります。

体系

頭が黒く羽も黒い種がいるため間違われることがありますが、クロアリはしっかりくびれがあるのに対してシロアリは寸胴型です。

触角

クロアリは細く、くの字型の触角に対して、シロアリの触角は小さなつぶが繋がった数珠状の触角をしています。

クロアリの羽は模様が大きいのに対して、シロアリの羽は繊細で細かい模様がついています。さらに、羽の形状がすべて同じです。
また、シロアリの羽はもろくとれやすいため、大量の羽が飛散していることがあります。

寒冷地でも注意

近年では北海道にはほとんどいなかったシロアリが、本州から持ち込まれることで被害が発生するケースが増えてきました。

DIYでの防止策

防蟻シートや防蟻剤を使えば、簡単な対策が自分でも可能です。

古い家ほど注意が必要

築年数が古い家は木材が湿気を吸いやすく痛んだ状態であることが多いため、シロアリの被害に遭いやすくなります。

地震対策にも繋がる

シロアリ被害の予防は、建物の耐震性向上にも役立ちます。
シロアリによって被害を受けてしまっている家は、地震時に倒壊してしまう危険性が高まります。

シロアリ対策が適している人

  • 木造住宅に住んでいる人
    木材部分が多い家では特に注意が必要です。
  • 築年数が古い家に住んでいる人
    湿気が多い場所や老朽化した住宅ではシロアリのリスクが高まります。
  • 床下や壁の状態が気になる人
    建物の異常を感じたら早めに点検を依頼しましょう。

「シロアリ」に関するまとめ

シロアリは、建物や家具に深刻な被害をもたらす害虫ですが、早期発見と適切な対策で被害を最小限に抑えることができます。
日頃の湿気対策や定期点検を行い、異常があれば専門業者に相談することをおすすめします。

シロアリ対策は、快適で安全な住環境を維持するための重要なステップです。定期的にチェックを行い、被害を未然に防ぎましょう!

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