
「三角パッキン」は、水栓金具(蛇口)の中に使用されるゴム製の部品で、水漏れを防ぐための密閉材の一種です。
主に蛇口の内部で、ハンドルやスピンドル(回転軸)との接続部分に取り付けられています。
名前の通り、断面が三角形の形状をしているため「三角パッキン」と呼ばれます。
三角パッキンの役割
水漏れの防止
蛇口内部の隙間を密閉し、水が漏れるのを防ぎます。
蛇口の根本から漏れるというケースでは、三角パッキンが消耗していることがほぼほぼです。
いずれにしても、大騒ぎするほどの水漏れになることはほぼないため、軽視しがちです。
耐久性の向上
ゴム製の素材が摩耗を吸収するため、結果として蛇口の寿命を延ばしているともいえるでしょう。
三角パッキンが使われる場所
蛇口のハンドル直下部分
蛇口ハンドルを取り外したナットの中に取り付けられています。
ハンドル下からの水漏れを防ぐ役割があり、経年劣化によって硬化したり亀裂が入ったりして漏れる原因となります。
三角パッキンの種類
材質による分類
ゴム製
一口にゴムといっても様々な種類がありますが一般的な素材で、柔軟性があって密閉性が高いです。
シリコン製
耐熱性や耐寒性、そして耐久性に優れるため、高温や頻繁な使用が想定される場所に適しています。
サイズによる分類
蛇口の種類によって異なるサイズの三角パッキンが使用されていますが、一般家庭ではほとんどが呼び径13mmのものです。
極稀に、呼び径20mmと大きなものがあります。
三角パッキンが劣化するとどうなる?
水漏れ
蛇口の根元やハンドル部分と思われるところから水が漏れます。
その頃には、三角パッキンに触れると手が真っ黒になったりするほど劣化が進んでいます。
なお、吐水口(蛇口先端)からの水漏れであれば三角パッキンが原因ではなく、ケレップやスピンドルが原因です。
「ケレップ」は、特に水道関連の部品として知られる小さな部品の一種で、蛇口の中にあるゴム製のパッキンと金属が一体化している部品のことを指します。正式には「コマパッキン」とも呼ばれ、蛇口の閉じた状態を維持し、水漏れを防ぐ重要な役割を果たしま[…]
「スピンドル」は、水栓金具(蛇口)の構成部品の一つで、ハンドルの回転を伝える軸(ねじ状の部品)を指します。この部品が水の出し止めを制御しており、蛇口の開閉操作をスムーズに行えるようにする重要な役割を果たしています。スピンドルの役割[…]
ハンドルの固さ
経年劣化によって硬化して、ハンドルの動きが重くなることがあります。
ただ、大半のケースでは水漏れが起きることによって交換することがほとんどです。
異音の発生
ハンドルを回したときに「キュッ」という音がする場合、三角パッキンが摩耗している可能性があります。
三角パッキンの交換方法
三角パッキンが原因で水漏れを起こしていれば、必ず蛇口の根本付近から水漏れが発生します。
三角パッキンは大抵2個セットになっています。
交換する際、混合水栓(水・湯)であればせっかくなので両方交換するようにしましょう。
稀に、蛇口パイプが破損して根本から水漏れを起こす場合がありますが、その場合は三角パッキンを交換しても水漏れは収まりませんので、その場合は蛇口パイプを交換する必要があります。
ヒント
また、賃貸アパートや賃貸マンションではスピンドルだろうとケレップだろうと、通常は大家さん負担で修繕するので自分で変えようとせず、管理会社に連絡するようにしましょう。
必要な道具
- プラスドライバーまたは六角レンチ(ハンドルの取り外し用)
- ウォーターポンププライヤー(ナットを外すため)
- 新しい三角パッキン
- 古い歯ブラシ(掃除用)
交換手順
水道の元栓を閉める(念のため)
三角パッキンの交換では本来、水が噴き出すことがありませんが、初めて交換に挑戦する場合は念のため、止水栓を閉めてから作業を行うようにしましょう。
蛇口のハンドルを外す
ハンドルの中心部にあるネジを外して取り外します。
カバーナットを取り外す
ハンドルの下には、横から見たら三角形にみえるカバーナット(ギザ十のようなギザギザがあるもの)が取り付けられています。
それを外すことで、三角パッキンが姿を現します。
カバーナットにひっついてくることもあれば、スピンドル側についていることもありますが、その黒いゴムのようなものが三角パッキンです。
古い三角パッキンを取り除く
劣化した三角パッキンを取り外し、念のため古い歯ブラシなどを使って取り付け部分を掃除します。
新しい三角パッキンを取り付ける
取り付け部分に新しいパッキンを正しく装着します。
その際に、同時に付属のワッシャーも一緒に取り換えます。
ワッシャーとは?
三角パッキンの下にある丸いわっかの座金(ざがね)のことです。
カバーナットをつけ、ハンドルを戻す
外した手順の逆で、カバーナットを取り付け、ハンドルを戻します。
(閉めた場合には)元栓を開けて確認
元栓を開け、水漏れがないか確認して完了です。
三角パッキンに関する豆知識
定期的な交換が必要
三角パッキンの寿命は一般的に5~10年程度です。
同じ蛇口を何年にもわたって使用する場合には、消耗品である三角パッキンは定期的な点検と交換が推奨されます。
汎用品が使用可能
ホームセンターやネット通販で手軽に入手できる汎用品も多くあります。
交換コストが安い
三角パッキン自体の価格は数百円程度で、手軽に交換可能です。
【おすすめ】自己修理が可能
特別な技術がなくてもDIYで対応できるため、業者に依頼するよりはるかに安く済みます。
三角パッキン交換であっても、数千円かかることが普通なので自己修理をおすすめします。
水漏れの初期対応
根本からの水漏れが発生していたら、三角パッキンの劣化を疑うことがトラブル解決の第一歩です。
三角パッキンが適している人
- 水漏れが気になる人
ハンドルや蛇口周りからの水漏れを解消したい方。 - DIY初心者
自分で簡単に蛇口の修理をしたい方。 - コストを抑えたい人
業者に頼む前に、自力で修理を試したい方。とにかく簡単です!
注意点
元栓の閉め忘れ
初めて取り替えを行う場合には作業中に水が漏れ出さないよう、元栓を確実に閉めるようにしたほうが確実です。
サイズ確認
蛇口に合ったサイズの三角パッキンを購入する必要があります。
先述したように大抵は呼び径13mmの三角パッキンですが、一応念のため、確認してから購入するようにしましょう。
交換後の確認
作業後に水漏れが解消されているか、必ず確認しましょう。
三角パッキン交換で直らなければ蛇口パイプの根本が破損しているはずです。
蛇口パイプの破損はどうやったらわかる?
完全に欠けているので、一目見た瞬間に誰でも分かります。
「三角パッキン」に関するまとめ
三角パッキンは、蛇口内部で水漏れを防ぎ、快適な生活を支える小さな部品です。
劣化すると水漏れやハンドルの動作不良を引き起こすため、定期的な点検と交換が必要です。
交換作業は簡単で、DIY初心者でも気軽にチャレンジできます。トラブルが発生した際は、まず三角パッキンの状態を確認し、適切な対応を行いましょう。