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非線引き区域(ひせんびきくいき)

「非線引き区域(ひせんびきくいき)」は、都市計画区域の一つで、市街化区域と市街化調整区域のように用途を厳密に分ける「線引き」を行っていない地域を指します
この区域では、都市の状況や需要に応じて柔軟に土地利用が行われます。

非線引き区域の目的

非線引き区域は、次のような都市計画区域において設定されます。

都市の発展状況に応じた土地利用

急速な都市化が進んでいない地域で、柔軟な土地利用を可能にするため。

将来の都市化を見据えた計画

都市の発展や人口増加の状況に応じて、将来的に市街化区域や市街化調整区域に変更する余地を残します。

地域特性に合わせた対応

地域ごとの土地利用の多様性や特殊なニーズに対応する。

非線引き区域の特徴

1.線引きがないため柔軟性がある

市街化区域や市街化調整区域と異なり、厳格な土地利用の分別がないため、比較的自由に土地を利用できます

2.開発行為は許可が必要

非線引き区域でも、都市計画法に基づく開発許可が必要です。

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3.田舎や過疎地に多い

人口密度が低い地方都市や田舎に多く見られます。
市街地を大きく外れたらほぼ非線引き区域外と理解しておけば大丈夫です。

非線引き区域での土地利用と建築

新築住宅の建設

一般的な住宅は建設可能ですが、用途や規模によっては開発許可が必要です。

農地や森林の利用

農地転用や森林開発など、特定の用途変更には別途許可が必要です。

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商業施設や工場

規模や用途に応じて自治体の審査が行われます。

非線引き区域のメリット

(1) 柔軟な土地利用が可能

市街化区域や市街化調整区域ほど厳格な制限がないため、個々のニーズに応じた土地利用ができます。

(2) 土地価格が安い

開発が進んでいない地域が多いため、地価が比較的安く、低い難易度で手にすることができると言えるでしょう。

(3) 自然環境が豊か

農地や森林が多く、自然豊かな環境で生活できます。

非線引き区域のデメリット

インフラ整備が遅れている場合が多い

上下水道や道路、公共施設の整備が市街化区域に比べて整備されていないことが圧倒的に多いです。

開発許可が必要

住宅や施設を建設する際には、自治体の許可を得る必要があり、手続きが煩雑です。

将来の計画が不確定

比較的都市部近いエリアでは、将来的に市街化区域や市街化調整区域に変更される可能性があり、土地利用計画が変わる可能性があります。

非線引き区域に関する豆知識

開発許可の判断基準

開発許可の基準は自治体ごとに異なります。事前に地域の都市計画課に確認しておくべきでしょう。
不動産会社に依頼しても代わりに調べてくれます。

固定資産税が安い場合が多い

市街化区域に比べ、非線引き区域の土地は固定資産税は低いです。

自然災害リスク

河川近くや山間部に指定されることが多いため、洪水や土砂災害のリスクを確認しておく必要があります。

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地域住民の合意形成が重要

開発や建築を進める際には、地域住民との調整が求められることがあります。

非線引き区域が適している人

  1. 自然に囲まれた生活を希望する人
    農地や森林が多い地域で、静かでゆったりとした暮らしを望む方。
  2. 土地を安く購入したい人
    比較的安価に広い土地を取得したい方。
  3. 事業用地を探している人
    規制の少ない土地で事業を展開したい方。

非線引き区域の注意点

用途変更や建築には計画が必要

許可の取得や地域住民との合意形成が必要になります。

自治体の都市計画を確認

今後の区域変更がある場合、影響を受ける可能性があります。

災害リスクへの対策

事前にハザードマップを確認し、安全性を確保しましょう。

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「非線引き区域」に関するまとめ

非線引き区域は、市街化区域や市街化調整区域のような厳しい規制がなく、柔軟に土地を利用できる地域です。
特に地方や過疎地に多く、土地価格が安い一方で、インフラ整備や災害リスクに注意が必要なところです。

非線引き区域での土地購入や建築を検討する際には、地域の都市計画や開発許可の要件を確認し、慎重に計画を進めましょう。地元の自治体や専門家に相談することで、スムーズに進められるはずです。

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