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市街化調整区域(しがいかちょうせいくいき)

都市計画法に基づき、市街化を抑制することを目的に指定された地域のことです。
都市の無秩序な拡大や自然環境の乱開発を防ぎ、必要に応じて農地や山林などの保全を図る役割を持っています。

一般的に単に「調整区域」とも呼ばれます。

市街化調整区域の目的

無秩序な市街化の防止

都市が際限なく拡大すると、交通渋滞や生活インフラの不足、自然破壊などの問題が発生しやすくなります。市街化調整区域に指定することで、住宅や商業施設の新たな建設を制限し、計画的な土地利用を促す狙いがあります。

農地や自然環境の保護

農地や山林などは、食料生産や生態系の維持に欠かせない存在です。市街化調整区域内では、こうした土地が勝手に宅地化されにくいよう、厳しい許可制度を設けています。

市街化調整区域の特徴と制限

建物の新築が原則禁止

基本的に、市街化調整区域では住宅や店舗などの建物を新たに建てることが認められていません
建設が可能となるのは、農業や林業など地域の産業振興に必要な建物、または既存の集落の維持に関わるものに限られる場合が多いです。

許可が必要

もし建築を考える場合でも、都道府県や市町村の農業委員会、あるいは都市計画担当部署などからの「開発許可」や「農地転用許可」が必須となるケースがあります。
審査には時間がかかり、要件も厳格に運用されるため、容易に建物を建てるのは難しいのが実情です。

インフラが未整備の場合も

市街化を抑制するエリアであるため、上水道や下水道、交通網などの整備が遅れていることが少なくありません。
居住や事業の利便性を期待するのは難しい場合もあります。

市街化調整区域のメリット・デメリット

メリット

豊かな自然環境を保持

開発が制限されているため、緑や農地が残されやすく、景観や自然環境が保全されています。

土地価格が安め

建築制限があるため、宅地としての需要が低く、相対的に地価が安くなる傾向があります。
活用の目的が合致すれば低コストで広い敷地を確保できることもあります。

デメリット

建物の新築が難しい

原則禁止のため、許可を得るのはハードルが高く、時間や手間、コストがかさむ可能性が大きいです。

インフラ整備の遅れ

公共交通機関や上水道・下水道が十分に整備されていない場合が多く、住みやすさや事業利用のしやすさに課題があります。

知っておきたい豆知識

  • 特例的に建てられるケースも
    家族で農業を営むために必要な住宅や、既存集落内の一定区域であれば例外として住宅建築が認められることもあります。ただし、その場合でも厳しい審査が行われるため、事前に自治体へ相談することが重要です。
  • 既存宅地(キソンタクチ)制度
    市街化調整区域でも、昭和の頃から住宅が建っていた「既存宅地」に該当すれば、一定の要件を満たすことで建て替えや増改築が認められる場合があります。これも自治体ごとに基準が異なるため、注意が必要です。
  • 市街化区域への編入可能性
    将来的に都市計画が変更されて市街化区域に編入されるケースはありますが、基本的には珍しく、地域の大規模開発や行政計画が絡む場合に限られることが多いです。

「市街調整区域」に関するまとめ

市街化調整区域は、都市の無秩序な拡大を防ぎ、自然や農地を保護するために設定されているエリアです。
そのため、宅地として利用するには大変大きな制限があり、原則として新しい建物は建てられません。

その一方で、地価が比較的低いなどのメリットもあり、農業や特定の事業に適した活用を考える場合は有効な選択肢となる可能性があります。
もし市街化調整区域内の土地を購入・活用することを検討しているなら、まずは行政や専門家に相談し、許可取得のハードルや活用計画をじっくり確認することが大切になりますです。

無計画に土地を取得しても建物が建てられない、インフラが整わない、などのトラブルを避けるために、十分な下調べと慎重な判断を心がけましょう。

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