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用途地域(ようとちいき)

都市計画法に基づいて市町村が定める、土地利用のルールを示す区分のことです。
住宅地、商業地、工業地など、それぞれの地域の特性に応じて建てられる建物の種類や規模、建蔽率・容積率などを制限し、街づくりを計画的に進める役割を担っています。

用途地域が設定される理由

良好な住環境の確保

用途地域を決めることで、静かな住宅街に騒音の出る工場が建つことを防ぎ、逆に工場地帯に高層マンションが建つことで危険を伴う可能性を減らします。
それぞれの地域に適した用途を設定することで、居住環境や事業環境をより良く保つことが目的です。

秩序ある街づくり

どこでも何でも自由に建てられると、交通渋滞や環境破壊、景観の乱れなどが起こりやすくなります。
用途地域は、建物の用途や高さ、容積率などを整えることで、計画的な街づくりを実現しています。

用途地域の種類

用途地域は大きく分けて以下の12種類(プラス特定用途制限地域などの特殊な区分を含む場合も)があります。
それぞれの地域ごとに建てられる建物や制限のレベルが異なります。

第一種低層住居専用地域

低層住宅が中心。
建物の高さが厳しく制限されており、閑静な住宅街を保護する。

第二種低層住居専用地域

第一種よりやや規制が緩く、小規模店舗など一部の用途が認められる。

第一種中高層住居専用地域

中高層マンションなどが建てられるが、大型の商業施設はNG。

第二種中高層住居専用地域

第一種よりやや規制が緩く、小規模な飲食店などが可能な場合も。

第一種住居地域

住居中心だが、病院や学校、小規模店舗などは建築可能。

第二種住居地域

カラオケ店や飲食店などの建築も認められるが、風俗店などは不可。

準住居地域

幹線道路沿いに多く、自動車関連施設なども建築できる。

近隣商業地域

住宅と商業施設の混在が想定され、スーパーや飲食店などの大規模店舗も許容。

商業地域

高度な商業地で、百貨店やオフィスビル、高層マンションなどが建てられる一方で騒音や混雑が生じやすい。

準工業地域

住宅や小規模工場、倉庫など多用途が混在可能。
騒音や振動が強い工場は不可。

工業地域

比較的自由度が高く、住宅建設も可能だが、騒音や排煙を伴う工場も立地可能。

工業専用地域

住宅や飲食店などは原則建てられず、工場専用のエリア。

用途地域が与える影響

建蔽率・容積率

用途地域ごとに建蔽率や容積率が定められており、これが建物の規模や高さを大きく左右します。

建築できる建物の種類

住宅のみならず、店舗や事務所、工場、学校など、建築できる用途は用途地域によって細かく制限されます。

資産価値や生活環境

商業地域は利便性が高く地価が上がりやすい一方、落ち着いた住環境を望む人には不向きな場合があります。
反対に低層住居専用地域は静かで資産価値が安定しやすいですが、大規模店舗が建てられないなどの不便さもあります。

豆知識:確認方法や注意点

  • 用途地域の確認方法
    市区町村の都市計画図や公式ウェブサイト、都市計画課で用途地域を確認できます。不動産会社や役所に問い合わせると地図の写しを入手可能です。
  • 一つの敷地で複数の用途地域が混在するケース
    大きな敷地や境界の付近では、一部が商業地域、他部分が住居地域などにまたがることがあります。建築計画時にはどちらの用途地域を基準にするか検討しなければなりません。
  • 将来的な都市計画の変更
    用途地域は行政の判断で変更される場合もあります。将来的に再開発が計画されている地域では、用途地域が変更になる可能性があるため、事前の情報収集が大切です。

「用途地域」に関するまとめ

用途地域は、住みやすい住宅街づくりや商業活動、工業活動を円滑に行うためのルールとして機能しており、自分が建てたい建物や利用用途に応じて選ぶことでトラブルを未然に防ぐことができます。
土地の購入や建物の設計にあたっては、必ず用途地域の種類や制限内容を把握し、建蔽率・容積率などの基準を守りながら、理想の建築プランを計画することが大事です。

行政の都市計画図や専門家のアドバイスを活用し、用途地域を正しく理解することで、快適かつ計画的な住まいや事業を実現しましょう。

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