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抵当権(ていとうけん)

「抵当権」とは、借金などの債務を保証するために、債務者が所有する不動産に設定される権利のことを指します。
主に住宅ローンや事業資金の融資を受ける際に、銀行や金融機関が設定することが一般的です。抵当権を設定することで、債務者が返済できなくなった場合に債権者は不動産を売却し、その代金を回収することができます。

抵当権の仕組み

抵当権の基本的な仕組み

抵当権は、不動産に関する担保権の一種です。借入時に不動産を担保として提供し、債務の返済が滞った場合、債権者がその不動産を競売にかけて返済金を回収する権利を持つことができます。

設定の流れ

  1. 借入者(債務者)が銀行や金融機関(債権者)から融資を受ける。
  2. 債務者の所有する不動産に抵当権を設定する契約を結ぶ
  3. 法務局で登記を行い、第三者に対しても権利を主張できるようにする。

返済完了後の手続き

債務を全額返済すると、抵当権は解除され、登記も抹消されます。
ただし、抵当権抹消の手続きが必要です。

抵当権の特徴

担保として不動産が必要

抵当権は、基本的に不動産を担保に設定されるため、住宅や土地を所有していることが前提となります。

占有権は移らない

抵当権を設定しても、債務者はその不動産を引き続き使用・占有することができます。

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競売による弁済

債務者が返済を滞納した場合、債権者は不動産を競売にかけ、その売却代金から優先的に債権を回収します。

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優先弁済権

抵当権を持つ債権者は、他の債権者よりも優先して売却代金を回収できる権利を持ちます。

抵当権のメリット

融資のハードルを下げる

債務者にとっては、不動産を担保に提供することで、高額な融資を受けやすくなります。
例えば、住宅ローンをはじめとし、不動産担保ローンや他の目的別ローンがあります。

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債権者のリスクを軽減

債権者は、返済が滞った場合でも不動産を売却することでリスクを回収できます。

占有を維持できる

抵当権を設定しても、債務者は不動産を引き続き使用できるため、生活や事業活動への影響を最小限に抑えられます。

抵当権のデメリット

返済不能時の競売リスク

債務者が返済を滞納すると、不動産が競売にかけられ、所有権を失うリスクがあります。

登記費用が発生

抵当権の設定や抹消には登記費用がかかります。また、司法書士に依頼する場合はその報酬も必要です。

担保の価値が制約を受ける

抵当権が設定された不動産は、売却や追加の担保提供が制約される場合があります。
つまり、1番目の抵当がついているとそれだけで、売れにくくなるし次の融資を受けることが難しくなるということです。

返済計画が必要

融資を受けた後も計画的に返済を続ける必要があり、収入の変動などで返済が難しくなることも。
特にノンバンクでの不動産担保ローンは、金利も高いのでより計画的に返済を行っていく必要があります。

抵当権に関する豆知識

法定地上権

抵当権が設定された土地と建物が別々に所有されている場合、競売後も建物所有者が土地を使用できる「法定地上権」が認められることがあります。

解除には抹消登記が必要

借入を完済した場合でも、抵当権の抹消登記を行わないと権利が残ったままになるため、注意が必要です。
完済したからといっても各金融機関は消去してくれはしません。

二番抵当権とは?

一つの不動産に複数の抵当権を設定することも可能です。ただし、優先順位は設定順に決まります。

競売後の余剰金の扱い

競売で売却された代金が、抵当権者の債権額を上回る場合、その余剰金は所有者に返還されます。

住宅ローンの抵当権が一般的

日本では、住宅ローンの融資を受ける際に、購入する物件に抵当権が設定されるケースが一番多いです。

抵当権が適しているケース

住宅ローンを利用する場合

高額な住宅を購入する際、抵当権を設定することで融資が受けられます。

事業資金を調達したい場合

自社所有の不動産を担保に提供し、事業資金を確保できます。

融資条件を改善したい場合

不動産を担保にすることで、低金利での融資を受けられることがあります。

「抵当権」に関するまとめ

抵当権は、不動産を担保として提供することで、債権者と債務者双方にとってメリットがある制度です。一方で、返済不能時には競売のリスクが伴うため、慎重な計画と管理が求められます。

住宅ローンや事業融資を検討している方は、抵当権の基本的な仕組みを理解し、計画的に活用することで、資金調達の幅を広げることができます。さらに、返済後の抹消手続きや費用面の確認も忘れず行い、適切に対応しましょう。抵当権を上手に活用して、安心かつ効率的な不動産取引を目指してください。

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