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築古(ちくふる)

「築古(ちくふる)」とは、建築後から 比較的長い年数 が経過した物件を指す通称です。
具体的に何年で「築古」となるかの明確な基準はありませんが、不動産業界では「築20~30年以上」を目安に「築古物件」と呼ぶことが多いです。
外観が古めかしく、設備も旧式の可能性がある一方で、価格の安さや立地の良さなどを魅力とする人も少なくありません。

築古物件の特徴

外観や内装の経年劣化

築古物件では外壁の塗装が剥がれかけていたり、水回りの設備が古かったりする場合があります。
ただ、オーナーや不動産管理会社がこまめに修繕やリフォームを行っていれば、築年数以上の快適さを保っているケースもあります。

旧耐震基準が適用されている可能性

日本の耐震基準は1981年(昭和56年)に大きく改正され、それ以前に建てられた物件は「旧耐震基準」で建築されていることが圧倒的に多いです。
地震リスクを考慮するなら、耐震診断や補強工事の有無を確認すると安心ですが、やはりそれらを気にする方は選ばないほうが賢明です。

リフォーム・リノベーションの前提が多い

建物の構造や設備が現行の基準とずれているため、大がかりなリフォームやリノベーションを前提に検討されることが多いです。
DIYやリノベを楽しみたい人には、自由に空間を作り変えやすいという魅力もあります。

築古物件のメリット

価格や家賃が安め

一般的には、築浅物件に比べて販売価格や家賃が抑えられています。
立地や広さは妥協したくないけれど、予算は限られているという人にとっては、大きなメリットといえるでしょう。

立地の良さ

都市部や駅前などの好立地に古い建物が建っているケースは少なくありません。
駅近で物件を探す際は築古物件に目を向けると、思わぬ掘り出し物が見つかることもあります。

リノベーションによる付加価値

築古物件を購入してリノベーションすることで、最新の設備やデザインを導入し、自分好みの空間を実現できます。
投資目的でも、中古物件を安く買ってリノベして転売や賃貸に出す手法が注目されています。

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DIYの自由度が高い

もともと古い物件であるため、壁紙の張り替えや床材の交換など、DIYに挑戦しやすいのが特徴。
思い切ったリフォームで個性的な住まいを作りたい人に向いています。

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築古物件のデメリットや注意点

設備トラブルや修繕リスク

水回りや電気系統、給排水管などが老朽化している場合、故障や漏水などのトラブルが起きやすくなります。
購入や契約前に配管図や修繕履歴を確認し、必要な修理費用を見積もっておきましょう。

断熱・耐震性能の不足

古い物件は断熱材が十分でない場合や旧耐震基準で建てられている可能性があり、冬場の寒さや夏場の暑さ、地震に対する安全性などに不安が残るケースがあります。
リフォームや耐震補強を検討しましょう。

税制優遇や住宅ローンの制限

築年数が古いと、住宅ローン減税や投資向け減価償却などの税制優遇が適用されない場合があります。
また、金融機関によっては耐用年数などの関係でローン審査が厳しくなることもあるため、事前に確認が必要です。

管理状況による差が大きい

マンションの場合、管理組合が機能しておらず、修繕積立金が不足していれば、将来的に大規模修繕の負担が増える可能性があります。
戸建てでは、長年放置されてきた外壁や屋根などが想定外の費用を呼ぶことも。

築古物件に関する豆知識

築古アパートの投資

相場より安く買えて、家賃収入を得やすいとして投資家に人気がありますが、リフォーム費用や維持コストを考慮しないといとも簡単に赤字になります。
今までの修繕履歴や管理状況などをきちんと確認しておく必要があります。

インスペクション(建物診断)の利用

専門家による建物診断を受けることで、屋根や基礎、設備の不具合を早期に把握できます。買ってから「想定外の修理が必要」などとならないように購入前のインスペクションがおすすめです。

リノベーションで快適度アップ

古い間取りでも壁を取り払って広いLDKを作ったり、水回りを最新にしたりと、リノベ次第で大きく住み心地を向上できます。
既存の味わいと現代的な設備の融合が、築古リノベの醍醐味と言えます。

「築古」に関するまとめ

築古物件は、一見すると「設備が古い」「メンテナンスが大変」というイメージがありますが、立地の良さや購入・家賃の安さ、リノベーションの自由度など、多くのメリットを秘めています。
一方で、耐震性や配管などの劣化リスク、断熱性能の不足などデメリットや注意点は見逃せません。購入・賃貸の際には、インスペクションや耐震診断を活用し、修繕費用やリフォーム計画を含めた総合的な検討が必要です。
築古だからこそ得られる独特の味わいや古き良きデザインに魅力を感じる人も多く、上手にリノベーションすれば、最新の機能とレトロな雰囲気を併せ持った唯一無二の住まいに仕上げることができるでしょう。

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