ラジエントヒーターとは、電気を熱源とした調理器具の一種で、主に台所の加熱調理に使用されます。
一般的にIHクッキングヒーターやガスコンロと比較されますが、ラジエントヒーターは電気抵抗による加熱で、直接的な火を使わずに調理する点が特徴です。見た目はIHヒーターに似ていますが、仕組みが異なります。
ラジエントヒーターの仕組み
電気抵抗による加熱
電気がラジエントヒーター内部のヒーターコイルを通ることで発熱し、その熱がガラスプレートを介して鍋やフライパンに伝わります。
放射熱を利用
ラジエント(Radiant)は「放射」という意味で、発生した熱が放射されるため、鍋全体を均一に加熱できます。
どんな調理器具でも使用可能
ガラスやアルミ、土鍋など、ほとんどの素材の調理器具が利用できる点がIHクッキングヒーターとの違いです。
IHクッキングヒーター(Induction Heating Cooktop)は、電磁誘導を利用して鍋やフライパン自体を発熱させる調理器具です。従来のガスコンロや電気コンロと異なり、直接火を使わず、IH対応の調理器具が必要になるのが特徴です。[…]
ラジエントヒーターの特徴
安全性
明るい赤い光で加熱中かどうかが分かるため、調理中や加熱後に注意はしやすいです。また、直接的な火を使わないため、火災のリスクも低いです。
余熱を利用可能
ヒーター自体が加熱後もしばらく熱を持つため、余熱を利用して調理ができます。省エネ効果が期待できます。
広い熱伝導性
熱が鍋全体に均等に伝わりやすく、煮込み料理や焼き料理に適しています。
調理器具の自由度
IHヒーターのように専用の鍋を使う必要がないため、どんな素材の調理器具でも利用可能です。
ラジエントヒーターのメリット
調理器具を選ばない
アルミ鍋や土鍋など、金属以外の鍋も使用できるため、家庭にある鍋をそのまま使える点が便利です。
煮込み料理に最適
均一に熱が伝わるため、煮込み料理や弱火での調理が得意です。
火を使わない
火を使わないため、子どもや高齢者がいる家庭でも安全に使用できます。
省エネ効果(ただし、若干)
余熱を利用した調理ができ、効率的にエネルギーを使用できます。
ラジエントヒーターのデメリット
加熱速度が遅い
IHヒーターやガスコンロに比べて、調理開始時の加熱速度が遅いです。
湯を沸かす程度であればケトルを使用した方がはるかに効率が良いでしょう。
余熱が残るため注意が必要
余熱が利点である一方、火傷のリスクもあるため、調理後の取り扱いには注意が必要です。
使用後にすぐの清掃は厳禁です。
電気代が高い
ガスではなく電気を使用するので、もちろん電気代は高くなります。
IHクッキングヒーター同様の電気代であっても、さらに熱効率が低いのでラジエントヒーターとIHクッキングヒーターを比べるとIHクッキングヒーターのほうがエコであると言えるでしょう。
現代の主流ではない
上述のようにIHクッキングヒーターのほうがエコである上に効率も良いので、主流ではなくなってきているのは確かです。
ラジエントヒーターの利用シーン
家庭用キッチン
ガスが使えない環境や、安全性を重視する家庭で採用されることが多いです。
オール電化住宅
電気調理器具を中心としたオール電化住宅では、IHクッキングヒーターと併用(3口コンロなど)されることがあります。
アウトドアやセカンドキッチン
軽量で持ち運びがしやすいため、アウトドア用やセカンドキッチンとしても便利です。
ラジエントヒーターの選び方
サイズと設置場所を確認
キッチンの広さや設置スペースに合ったサイズを選びましょう。
調理の目的に合わせて選ぶ
煮込み料理や弱火調理が多い場合はラジエントヒーターが最適です。
操作性をチェック
タッチパネルやダイヤル式など、使いやすい操作方法を選ぶと日々の調理がスムーズになります。
余熱の管理機能があるか確認
余熱の警告ランプや安全装置が付いているモデルは安心して使用できます。
豆知識
IHクッキングヒーターとの違い
IHヒーターは電磁誘導で鍋を直接加熱しますが、ラジエントヒーターは放射熱で加熱するため、非金属の鍋も使用可能です。
エネルギー効率を高める方法
鍋の底が平らな調理器具を使用することで、より効率的に加熱できます。
「ラジエントヒーター」に関するまとめ
ラジエントヒーターは、火を使わずに安全で幅広い調理器具が使用できる調理器具です。
煮込み料理や長時間調理に適しており、特に安全性やメンテナンス性を重視する家庭に向いています。一方で、加熱速度の遅さや余熱の管理には注意が必要です。
IHヒーターやガスコンロとの違いを理解し、ライフスタイルに合った使い方をすることで、ラジエントヒーターの魅力を活かせるでしょう。