- 最近、不動産がいいと聞きだしたけど、なぜ?
- スーツきた営業に憧れて不動産業検討してるけど、どんな業務内容なんだろうか
- 不動産業の給料はどれぐらいだろうか、ボーナスは出るんだろうか?
ひと昔前まで不動産業は、ブラックな業界としてご年配の方はよく敬遠されてたみたいですね。
でも、今の不動産業界はそんなことはありません!
衣食住の中での、住である不動産はやはり最強の業界だと思います。
就職、転職を検討中の方はぜひ参考にしてください!
今回の記事では、不動産業の業務内容を細かく紹介し、必要な資格、給与面まで解説します!
不動産業の主な事業とその内容
一口に不動産業といっても、その事業形態は多岐にわたり、都市部と地方では大きく異なります。
それぞれ個々の会社でその事業を行っていることもあれば、すべてや、もしくは一部を手掛けている会社もあります。
不動産開発・販売事業
主に「不動産ディベロッパー」と呼んだりしますが、都市部の土地を取得し、商業施設やオフィスビル、分譲マンションなど建てることを目的として地上げ、建設、販売まで行う事業形態のこといいます。
日本の都市部のあらゆるところに高層ビルが立ち並んでいますが、その場所にはもともと小さな町があったり、なっかなか出てくれない地主さんをなんとか交渉して、なんとかすべて取得し、そのような高層ビルの建設が着工した結果です。
一つのプロジェクトでも、何十年も経ってからようやくキックオフしたりという事案もあります。
不動産の中でも、最も大規模な事業です。
不動産開発の仕事内容
ざっくり言うと開発を掛ける土地や物件、近隣を調査し、プロジェクトを立案し、交渉を行い購入(地上げ)、取得した土地に行政、自治体の認可を取得します。
その過程で、建設会社や行政、自治体をはじめ、様々な連携を行い、施工の管理、完成させます。
地方駅前のビル、分譲マンション建設から都心部の超高層ビルや大型商業施設、タワーマンション、さらにはそれに伴う街の開発(再開発)など大規模なものまで様々です。
1980年代のバブル期に地上げ屋と呼ばれる業態が、反社会的勢力と組んで物件や土地を強引に安く買い漁るなどが原因で不動産屋のモラルが疑われるようになった時代がありました。
それが原因で地上げというキーワードがネガティヴな印象を与え、不動産業は汚いと言われるようになった所以ですが、地上げ自体は合法で、もちろん今日の日本でそのようなやり方では地上げを行っていません。
不動産販売の仕事内容
完成前の大型商業施設、タワーマンションへの客付けに各不動産会社の協力を得て、営業活動を行います。
このプロジェクト用に作られた資料を元に、オフィスビルや商業施設などをフロアごとや区画の一部などを貸すテナント募集や、マンションに至っては購入者希望を募集します。
ただ、これについてはゼネコンや仲介事業に委託する場合もあります。
資料作成から、そのプロジェクト用のWEBサイト制作、チラシなど制作物も多岐にわたり、一つのプロジェクトに何チームも組まれます。
一つのプロジェクトごとに完成後は街自体が変わるため、達成感ややりがいを大きく感じることが出来ます。
地方にはあまりないものの、給料は高めです。
不動産仲介事業
不動産賃貸と売買の仲介を行い、客付けを行います。
契約完了時の仲介手数料を主な収益としています。
小規模な不動産屋や、地域密着の小さな不動産屋はこの仲介事業をメインとしており、中には遠方に離れた購入検討者などをマッチングさせ、1件〇億円の手数料といったような大規模な案件まであります。
不動産業は今の時代においても横のつながりが存在し、買主はA社、売主はB社などとお客さん同士を紹介しあって互いに仲介手数料(片手取引)を得ています。
売主、買主の双方を客付けした場合には両手取引と言い、双方から仲介手数料を得ることが出来ます。
そうなれば得られる手数料は単純に倍になるのでかなり大きなものとなります。
仲介手数料自体は100%利益と思われがちですが、その利益を得るためには各媒体への登録、広告費用や現地調査、登記費用など様々な経費が掛かっており、毎月同じ数が売れればよいですがそうではないため、売り上げはどうしてものこぎり型となり、決して安定しているわけではありません。
不動産仲介事業の仕事内容
不動産業が気になっている方は、大半の方がこの不動産仲介業がどんなものかと調べているはずです。
まずは客付けをする物件を取りに行く物件調査(物調)、物件確認(物確)を行う営業と、店舗での物件探しに来たお客さんの接客営業がメインとなります。兼ねていることが大半です。
さらにその中で賃貸と売買(投資目的も含む)と部署が分かれます。
物件の仕入れ、不動産の査定、お客さんの物件案内、売主・家主への交渉事、契約書作成から、各WEB媒体への物件登録、物件の写真撮影、マイソクの作成などが主な業務になります。
この事業では、忙しい会社では2~3月は極端な繁忙期を迎え、残業が増えますが、比較的忙しい会社でも閑散期はそこまで残業が多い訳でもなく、やりやすいとも言えます。
不動産仲介だけでは事業として難しいので、不動産管理事業と一緒に行っていることが多いです。
歩合(インセンティブ)があって仲介を取りまくるのであれば話は別ですが、仲介事業だけを行っている会社であれば給料は言うほど高くはありません。
不動産管理事業
賃貸アパート、マンションや商業ビルやオフィスビルなどを家主から委託を受け管理します。
お客さんが多い不動管理会社は物件も多く、家主との付き合いも幅広く、その他の業種(工務店や塗装屋、解体屋)とも交流が盛んです。
地方では、不動産仲介業と管理事業を一緒に行っている会社が大半で、同時に客付けを行います。
不動産管理事業の仕事内容
建物・設備のメンテナンス、修理および修繕、家賃集金・送金、報告書、建物清掃などがメインとなり、会社によってはリフォーム、リノベーションを行ったり、仲介事業と一緒に行っている場合にはそれぞれの部署との情報交換も盛んで、近年ではクリエイティブな不動産屋が多いです。
地方にある比較的規模の大きい不動産会社ではこのようなケースが多く、アナログ体質だった不動産業も、コロナになってからオンライン重説や、IoT設備の導入、RPAを使用して業務効率化など、若い従業員が多くやりがいを感じる会社が多いはずです。
不動産賃貸事業
賃貸アパート、マンションや商業ビルやオフィスビルなど所有し、賃貸することによって家賃収入を得ます。家主業やオーナー業と言ったりもします。
また、オフィス専門であったり、レジデンス専門とさらに細かく分かれます。
はっきりいって、安定しさえすれば一番儲かる不動産業種の最高峰と僕は思います。不動産に興味を持つものは、ほとんどの方がこれに憧れを抱き、目指しているはずです。
こちらは、開発・販売事業や管理事業と一緒に行っていることが多いです。
不動産賃貸事業の仕事内容
自社所有物件をメインに管理を行っていることが多いです。
ざっくり言えば、新たな投資物件の仕入れ、家賃入金の管理、建物のメンテナンス、修理・修繕、リフォーム、清掃を一括して行っています。
一見、不動産賃貸業なんかやってなさそうな会社であっても、意外と多くの会社がやっています。
例えば日本一の某ショッピング施設なんかも行ってますよね。
基本的な客付けは他の不動産仲介業者へ任せることが大半で、あまり自社集客を行いません。
物件を持っているだけで儲かるのに、わざに人を雇って自社集客を行おうとすると利益率が下がってしまうからです。
地方にはあまりありませんが、都市部では多く、仕入れから銀行融資までうまくやっている会社であればあるほど利益率がかなり高いため、不動産業の中でも給料も高めです。
不動産業の給与体系について
不動産業の給与体系は大体3つのパターンに分かれます。
<< 不動産業の給与体系 >>
- 完全固定給
- 固定給 + 歩合給(インセンティブ)
- 歩合給(インセンティブ)のみ
およそこの3つに分かれますが、地方では完全固定給が多く、稀にインセンティブのみがあります。
不動産業へ就職、転職を考えてるのであれば、事前にきちんと確認しましょう!
完全固定給
今日の地方では完全固定給が多い印象で、一番無難な給与体系です。
もちろん都市部でも完全固定給は多いです。
地方というのは、どれだけ営業マンがいたとしても毎月取引される数も知れており、インセンティブのみでは厳しい現状で、仕事がとれなかった月が3ヶ月も続くと生活が破綻してしまいます。
完全固定給であれば、どれだけ仕事を取ってきたとしても上乗せされることはありませんが、大抵の場合はボーナス査定でその分が上乗せされ、追加で支払われるケースが多々あります。
そのようなことから、お世辞にも高い給与が支払われるわけではありませんが、その代わりに資格手当(宅地建物取引士、〇級建築士、マンション管理士など)やわずかながらでも昇給が行われます。
ただ、老舗とはいえ街の小さな不動産屋などでは高い年収はあまり期待出来ないと言えます。
固定給 + 歩合給(インセンティブ)
平均すると、これが一番多い体系でしょう。
完全固定給ほどではないにしても、最低限の固定給は補償される上、頑張ったら頑張った分、給料は上乗せされます。
注意が必要なのが、あまりに仕事が取れないとその最低保証である固定給でさえ下げられてしまうことがあります。
そうなるとモチベーションは下がりっぱなしで続けるのも難しくなります。
地方の特に田舎においては先述したように、ひと月を通じて取引件数の絶対数は知れている上、取引単価も2,000~4,000万円程度、そしてかつ月に1件取れるかどうか分からないというような現状です。
なので、まぁまぁ頑張っても年収1000万円を超えるなどは正直いって難しいです。
地方の田舎であれば、完全固定給の不動産業に就職すべきと助言したいですね。
歩合給(インセンティブ)のみ
気持ちほどの固定給がついていることもありますが、固定給+歩合給よりも、その割合がかなり高くなっています。
人受け、人間味もよく、プレゼンも上手な秀才でよっぽど長けた営業マンであれば抜きんでて高い給料を手にすることが出来るかもしれません。
大型案件を月1件とるだけで数百万円を得ることも出来ますが、安定は難しいと言えます。
都市部においては、寝る間も惜しんで営業をかけることで着実にそのチャンスを掴むことは出来るでしょう。
一方で、歩合給のみで成功する方は、顔の広さもあります。
例えば都内の某大学卒などで、優秀な人材が集まるOB会などに出席する、現弁護士、司法書士、大手従業員、医者からの紹介が多くあったりするとかなり有利な一面もあります。
極稀に地方の不動産屋でもありますが、そこの従業員はどうやって食っていっているのか正直分からないところもあります。
地方ではかなり難しいので、やめたほうが吉です。
地方では大体、老舗に多いです。
不動産業の必要資格について。宅建は必須?
あるに越したことはない不動産関係の資格ですが、基本的には無くても大丈夫です!
あれば有利となりますし、別途、資格手当が支給されることが多いですね。
とはいえ中途採用で、即戦力を求める場合に「宅地建物取引士」が必須となっていることがあるので、募集要項をしっかり確認しましょう。
一先ずなくても良いですが、不動産業に就くための有利な資格を紹介しましょう。
()内は略称です。
宅地建物取引士(宅建士)
不動産業に務めるにあたり、メインとなる国家資格の一つで、一度取得すると一生有効になります。
不動産取引をトラブルなく円滑に行うために必要な資格であり、不動産業はこの宅建士がいないと業務を行うことが出来ません。
合格率は15%~17%程度ですが、半年間勉強をしっかりすれば合格する方が多いです。
会社から受けろと言われ、勉強していない方も受験することが多いため、合格率が低くなっています。
以下は宅建士の独占業務となり、資格がなければ行うことが出来ません。
宅建士以外が行った場合は重大な違反となり、罰則を受けることになります。
- 重要事項説明書の記名と押印
- 重要事項説明書の内容説明
- 37帖書面への記名と押印
一生有効と説明しましたが、免許更新は5年に一度必要で更新の手続きが必要です。
本来であれば会場にいって講習を受けるものでしたが、コロナ禍になってからWEBで講習を受けることが可能になりました。
マンション管理士(マン管)
その名の通り、管理組合に対して専門家として様々なアドバイスを行い、マンションの健全な運営のコンサルティングを行います。
宅建に比べると、かなり難しい国家資格となります。
合格率は7~10%で、それでいて宅建よりも多くの勉強時間を要します。
<< マンション管理士の主な業務 >>
- マンション管理組合の運営、会計のサポート
- 住民トラブルの解決に向けての交渉
- マンション管理費、修繕積立金の取り扱い、管理
- マンションの管理規約の作成および変更
管理業務主任者
マンションの管理組合と業務委託契約などを締結する際、重要事項説明など契約に関することを主として行います。
マンション管理士がコンサルティングを行うのに対して、こちらは運営側に立つポジションとなります。
こちらも国家資格で比較的レベルは高くなりますが、合格率は約19%程度となり、マンション管理士と比べると難易度はやや低いと言えます。
<< 管理業主任者の主な業務 >>
- 重要事項説明
- 重要事故説明書への記名
- 管理契約書への記名
- 管理組合のフォローや、管理レポートを提出
賃貸不動産経営管理士
高度な専門知識をもって適正や健全に貢献する賃貸物件管理を行う専門家となります。
入居者募集はもちろんのこと、賃貸物件の管理取得や取得後の物件管理、入居者管理、他賃料査定、原状回復、空室維持など、重要な役割も含めて賃貸業務の一切をプロとして担うこと出来ます。
家主からも信頼を得られる大きな糧になるでしょう。
2021年に国家資格となったことから、不動産関連の4大資格(他宅建士、マンション管理士、管理業務主任者)と呼ばれるようになり、注目は高まっています。
合格率は約30%で、難易度は比較的高いです。国家資格になった2021年は初年度ということもあり、合格率は高かったものの、その後は27%程度に推移しました。
ファイナンシャルプランナー(FP)
不動産をはじめ、住宅ローン、保険など家計に関わる金融、教育資金、税金などお金にまつわる生活設計(ライフプラン)を実現させるためにコンサルを行うアドバイザーで、宅地建物取引士がよくセットに一緒に取得している方が多いです。
両方を取得していることで、不動産購入のアドバイス、資金面のプランニングなど一括して行えるので、お客さんの信頼を得やすくなります。
3級の合格率は約90%、2級合格率は50%程度です。
不動産業に就いている方であれば2級程度あれば十分です。3級では少々名刺に書きづらい点もあります。
不動産業への就職について。学歴は必須?
不動産ディベロッパーであれば、超大手ということもあり倍率も高く、新卒をメインとして採用を行っていて、大卒以上の学歴を求められることが大半です。
中途採用もゼロではないですが、やはりそれでも倍率が高いため、高学歴や不動産業としてのキャリアを求められることになります。
一方でそれ以外の不動産業、特にその中でも営業という部分であれば「学歴不問」となっている場合も多いですが、実際は高卒以上の方が圧倒的に多いです。
すでにキャリアを積んでいるのであれば、中卒でも十分認められますが、中卒→アルバイト→不動産業への就職は通常では困難です。
いずれにしても宅建士の資格があれば、有利にはたらくので学歴に自信のない方は、まずは不動産の専門知識を身に着け、宅建士の取得を目指すのがおすすめです。
なお、高卒以上の方であれば下記のような転職に詳しいサイトを見つけたので、リンクを貼っておきます。
不動産業に転職を考えられている方や気になっている方はご覧なってみてください。
転職は人生の大きなターニングポイントです。特に30代の転職は、キャリアの中盤に差し掛かるため、戦略的に進めることが重要で…
30代がメインと紹介されていますが、20代や40代でも前半であれば資格さえあれば受け入れることがある業界でもあります。
しかし、そのためにはやはりリクナビやdodaといったような求人サイトが有効と記されています。
不動産業の仕事、資格のまとめ
- 不動産業と一口にいっても、4つの大きな業態が存在する
- 給与体系は大きく分けて3つの体系がある
- 資格は必ずしも必要にない、しかしあれば手当がもらえるし、取れるなら取りたい
- 学歴は実質高卒以上
不動産と言っても大きくわけて4つの業態があります。
ここに入社はいいたけど、思っていたのと違った。となることがないように、あわせて給与体系がどうなっているかも含め、応募の際には諸々確認するようにしておきましょう。
資格は就職前にあれば有利ですが、あとあとでも取得できます。