注目キーワード

賃貸物件を退去する際はハウスクリーニングするのが当たり前?しなくて良い理由と内容を解説!

人から部屋を貸してもらって返すんだから、綺麗にして返すのが当たり前!と思ってらっしゃる方が大半ですよね。

しかし、普通は退去された後に清掃業者を使ってハウスクリーニングを行います。
中には、このあとハウスクリーニングが入ると分かっていても、とても綺麗にする方もいます。

今回の記事では、前半はどのような状態で退去すれば良いのか、後半はハウスクリーニング費用の相場とハウスクリーニング内容を解説しますね。

退去時のハウスクリーニングは基本的には不要!

賃貸物件を退去される際は、通常使用の範囲であれば残置物がないという状態でかまいません
ですので、基本的には不要となります。

どれだけホコリがあろうと、浴室鏡にウロコがついていても、ある程度は汚いままの状態でかまいません。もし、掃除される際は冷蔵庫裏、洗濯パンにあったホコリの除去、浴室やトイレの若干の水垢を落とす程度で問題ありません。

綺麗にして返さないといけないという気持ちは分かりますが、綺麗な部屋であってもそれなりの部屋であっても、同じ費用を払ってハウスクリーニング業者が入るのでやるだけ無駄になってしまいます。

逆にあまり綺麗にされると、退室立ち合い時に申し訳なく思ってしまうものです。
確かにハウスクリーニング業者からしたら楽になりますが。。

残置物があると請求されるので注意!

その代表としてキッチンキャビネットの包丁、カーテン、ベランダの物干し竿、キッチンキャビネットにおいた小さなラックなどが該当します。
特にベランダの物干し竿は多く、「最初からあった」という方がいますが、基本的にはベランダに物干し竿が最初からついていることはありません
撤去費用として500~1,000円とられる可能性があるので面倒でも処分するようにしましょう。
ただ、例外として前入居者の忘れ物に不動産会社が気づかず、本当に最初からあったというケースもあるので、そのような場合は「2年でこんなに錆びるわけないでしょ!」なんていえば「そうでしたか。すみません。」で終わることもあります。

もし、物干し竿が最初からあった場合、設備としての重要事項説明書の確認と、入居時に渡されるチェックシートなどに記載をしておくとよいでしょう。

例:ベランダ:物干し竿がある。

チェックシートにこのように記述することで、使った使ってない関係なしに退室時の不当な請求を免れることが出来ます。

別途ハウスクリーニング費を請求されるケース

先ほど、通常使用の範囲という言葉を使いましたが、請求されるケースとしては、通常使用の範囲を超えた時ということになります。

生活していれば普通は掃除や片づけを行います。
大抵の方は年末の大掃除などで目に見える手の届く範囲であれば水回りの掃除も行うはずです。
これが通常使用の範囲です。

通常使用の範囲を超えるというのは、ほとんど掃除を行ったことがない状態ということになります。

1年、長くても2年の入居であれば掃除を一切したことなくても別途請求されることはないでしょう。
しかし、丸3年ぐらいを経過すると一切換気をしていなければクローゼットどころか居室内のクロスにもカビが発生し、浴室などにも大量の水垢、カビが発生していることでしょう。

退去時が、まさにそのような状態であれば別途請求される可能性が高くなります。

実際、目に見えないキッチンのトラップ以下では1か月程度でヘドロが付着していきます。3年以上掃除しなければひどい状態になることは誰もが想像できるはずです。
ただ、そのあたりまでは退去時にチェックされることはないので、請求が発生することは無いでしょう。

ハウスクリーニング費はあくまでも清掃費であって修繕費は含まれない

ハウスクリーニング費はあくまでも清掃代です。

フローリングの傷、クロスをえぐった、壁に穴を空けたなどの場合は預けたハウスクリーニング費用で補うことは出来ません。
敷金を預けていない場合、これらは別途請求されるということを頭に入れておきましょう。

自分でハウスクリーニングを行ったら費用は安くなる?

これだけ綺麗に掃除したんだから、安くしてよ!と言いたい気持ちも分かりますが、賃貸物件退去時はその不動産会社や家主が提携、もしくは契約しているプロのハウスクリーニング業者に依頼します。
そのため、ご自身でハウスクリーニングを行ったとしても、ゼロ円どころか安くなることは極稀と言えるでしょう。

その理由として退去後はハウスクリーニングの前に修繕工事が入ります。
修繕工事ではクロスの張り替え、床の張り替えなどをメインとして工事を行いますが、それらの作業が行われるとせっかく綺麗にした部屋であっても再び汚れてしまい、ハウスクリーニングが必要となります。

一方で、先述した通常使用の範囲を超えた部分を掃除しさえすれば、別途請求されずに済む可能性は高くなるでしょう。

賃貸物件のハウスクリーニング代の相場

一例では、ひと月分の家賃=ハウスクリーニング代と言われたりしますが、それは積〇や大〇などの大手ハウスメーカーの物件を賃貸していた場合です。

それ以外の物件では大体、ハウスクリーニング費用は日本全国、大体どこも同じような費用で、皆さんが最初に預けた費用がおおよそ相場通りです。東京都内で180㎡家賃150万円の物件を借りていたからハウスクリーニング代も150万円なんてことはありません。
ただ、その広さの場合のクリーニング費用は100,000円を超えるでしょう。

間取り費用相場(税別)
1R、1K20,000~35,000円
1LDK、2DK、2LDK、3DK30,000~80,000円
3LDK以上60,000~100,000円
エアコンクリーニング10,000円~12,000円(1台あたり)

これらの費用はあくまでも参考としてお考え下さい。
でも、大体この辺りで落ち着いているはずです。

業者が行うハウスクリーニングは何をする?ハウスクリーニングの主な内容

専門知識をもつプロがプロ用洗剤や機材を利用して清掃を行うので、一般人が清掃しても落ちない汚れなどの清掃には特別強く、大抵は落としてくれます。
基本的には養生を行いますが、賃貸物件の繁忙期などのハウスクリーニングでは余裕がないため、養生をしないかもしれません。
ここでは主にどのような内容を行うのか解説しましょう。
記事で詳細は書いていませんが、トイレや下駄箱、ベランダ、掃き出し窓、サッシ、網戸、玄関ドアなど隅々まで清掃します。

修繕などやってくれないところはやってはくれませんが、不動産会社には大抵報告が上がってくるのでその後に対応するのが不動産会社、もしくは家主の仕事です。

なお、、ゴミ屋敷や遺品整理などは特殊清掃といい、一般的なハウスクリーニング業者では行っていないことが大半なので、そのようなケースの場合は、特殊清掃というキーワードで探すようにしましょう。

床のクリーニング

フロアクリーニングともいいます。同時にクローゼットなど収納、トイレ、廊下も行います。

まずは表面についた汚れやほこりをしっかりふき取り、水拭きで頑固な汚れも落とします。フローリングに限らず、床塩ビタイルなどの目地にカビが生えていたとしても基本的には綺麗に落としてくれます。
水拭き後、十分に乾燥させたあとワックスがけとなります。

ワックスがけはすべてのクリーニングが終わったあと最後の仕上げとして行います。上手な業者であれば髪の毛やほこりを残すことなく除去し、綺麗にワックスやフロアコーティングを仕上げます。
床材が塩ビタイルやクッションフロアの場合はワックスは行いません。

余談で不動産屋あるあるが、ワックスがけを行ったと知らず、入居前チェックで部屋に入ってしまうことがあります。
そうなると、、当然足跡が残ってしまい、、業者に謝ってやりなおしてもらうということが3月末にはよくありました。
ちなみにワックスがけ後、踏んでしまうと何やら嫌な感じがするのでやってしまった!と誰もがすぐに気づきます。

ここはやってくれない

フローリングのキズ補修やクッションフロアに浮きがあってもそこは対応してくれません。
また、フローリングの日焼けなどについてもワックスがけを行ったところでツヤは出ますが色までは戻りません。
この場合は、塗装、もしくは塩ビタイル貼りなどでの対応が必要です。

キッチンのクリーニング

キッチンにはサビや油汚れ、水栓付近には水垢、トラップ付近にはヘドロがたまっていますが、それらを綺麗に洗浄、除去します。
レンジフード(換気扇)も一緒に掃除を行います。

分解できるものは分解し、分解したものを洗剤につけ置きし、落とせる汚れは徹底的に落とします。
清掃後に油気が残っているなんてことはないです。

もし、その賃貸物件にガスコンロが設置されていればガスコンロも綺麗に掃除してくれます。

ここはやってくれない

水漏れしてても直してくれることはありませんし、前入居者が残したフックなども取ってくれません。

キッチンのキャビネット底板の色ハゲや落ちない汚れはハウスクリーニングでは無理です。
これも塗装や底板交換(大工仕事)が必要になります。

浴室のクリーニング

キッチン同様、分解できるところは分解してクリーニングを行います。
浴室によく付着する赤カビなんかはピカピカになりますし、よほど強固でない石鹸カスも綺麗に落とします。
銅石鹸を使うと青くなる現象がありますが大抵の場合は落としてくれます。

石鹸カスの代表である浴室鏡のウロコも度を越えない限りは綺麗にしてくれます。

ここはやってくれない

被覆された鉄製のラックタワーなどの隙間から錆びが出て、その錆び色が沈着した場合は落とせません。これの解決方法は、浴室用床シートなどの対応が必要となります。
度を越えたウロコは落とせませんので鏡交換のほうが安くすみます。
コーキングに付着した黒カビは基本落とせませんので、コーキング打ち換えなどの処理が必要です。

また、キッチン同様、水漏れしてても直してくれることはありません。電球が切れていても球を変えてくれることはありません。

エアコンのクリーニング

大抵の場合はハウスクリーニング代とは別扱いされることが多いですね。

フィルターの清掃はもちろんのこと、特殊な洗浄液をエアコン内にかけ、カビや汚れを除去します。
ビックリするほど黒い水が流れでます。

清掃が完了するとカビ臭さや生臭いにおいはしっかりとれています。

ここはやってくれない

ルーバーの故障やリモコンの電池が切れていてもそこは無視されます。
ルーバーの故障においては電気屋の手配が必要になります。

基本的には退去時に清掃を行う必要はない

過半数の方は、入居時初期費用の一つで敷金かハウスクリーニング代を支払っていると思います。
退去時に取られることはなく、基本的には預けているお金で実行されるのでそこまで苦に思う方は少ないです。

原状回復工事に入るとどうしてもゴミやホコリが出てしまい、退去者がせっかく綺麗にした部屋も台無しになります。

なので、通常使用の範囲を超えた場合を除いて、お金と時間をかけてまで清掃する必要はありません。
その分を引越のほうにエネルギーを使うようにしましょう!

最新情報をチェックしよう!

不動産問題の解決ノート

所有の賃貸不動産が満室にならず悩んでいる方、不動産投資を考えている方は必見!ぜひ一緒に理想の満室経営を目指して取り組んでみましょう。
他、入居者目線での不動産のあれこれを掲載中!

原則リンクフリーです。リンクを行う場合の許可や連絡は必要ありません。
リンクの設定をされる際は、「不動産の問題解決ノート」へのリンクである旨を明示ください。