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【違法ではないけど注意】公務員がアパート経営を成功させるための秘訣

  • 公務員だけど、、アパート経営による収入で、将来の安定した収益を確保したい。。
  • 退職後の生活のための資産形成を考えている。。
  • 民間企業が兼業するの増えたのに、公務員はダメなのか?

日本では平成30年より厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表し、民間企業はもちろん、地方公務員でも地域貢献として条件さえみたせば活動の場を広げ、収入を得ても良いという考えが広がりつつあります。

公務員でもアパート経営は可能ですが、どのように始め、どんな規制があるのかしっかり理解しておく必要があります。

この記事では、公務員の副業としてのアパート経営の法的条件、必要な手続きを紹介します。公務員特有の制限を理解し、副業としての不動産投資で得られる安定した収入の可能性について掘り下げ、公務員が安全かつ効果的にアパート経営を行う方法を、具体的なステップとともに解説します。

公務員のアパート経営は違法?

原則として違法ではありません
条件を満たせば、公務員でも合法的にアパート経営は可能です。
しかし、公務員がアパートを持とうと思えば国家公務員、地方公務員によってそれぞれ定められた規定を守らなければいけません。

国家公務員法・地方公務員法で定められた規定

大前提として、下記の規定が存在します。

私企業からの隔離
(国家公務員法第103条)
国家公務員は、営利企業の役員や従業員になることが禁止されています。これは、公務員の職務の公正性を確保するためです。
他の事業または事務の関与制限
(国家公務員法第104条)
国家公務員は、本業に支障をきたすおそれのある他の事業または事務に関与することが禁止されています。これは、公務員の職務に専念するためです。
営利企業への従事等の制限
(地方公務員法第38条)
地方公務員は、営利企業の役員や従業員になることが禁止されています。これは、国家公務員と同様に、公務員の職務の公正性を確保するためです。

国家公務員の場合

国家公務員の場合、副業を行う場合の規定として人事院規則でも定められており、以下の点にも留意する必要があります。

  • アパート経営が本業に支障をきたさないこと
  • 公務員の品位を損なう行為を行わないこと
  • 利益相反行為を行わないこと

地方公務員の場合

地方公務員の副業に関する詳細なルールは、各地方自治体の条例で定められています。条例の内容は自治体によって異なりますが、国家公務員と同様に、規模、家賃収入、管理業務に関する条件が定められていることが多いので事前によく確認しておく必要があります。

公務員がアパート経営を始めるための条件

公務員の副業を制限する根拠は、主に以下の3つの原則にあります。

  1. 信用失墜の禁止
    公務員は、職務上の立場を利用して金銭を得たり、利益を得たりすることは許されません。アパート経営が本業に支障をきたしたり、公務員の品位を損なったりするおそれがあれば、信用失墜の禁止に抵触する可能性があります。
  2. 守秘義務
    公務員は、職務上知り得た秘密を守る義務があります。アパート経営が原因で、職務上の秘密が漏洩するおそれがあれば、守秘義務に抵触する可能性があります。
  3. 本業に専念する義務
    公務員は、本業に専念する義務があります。アパート経営が本業に支障をきたすおそれがあれば、本業に専念する義務に抵触する可能性があります。

上記3つの原則に加え、国家公務員の場合は国家公務員法、地方公務員の場合は地方公務員法及び各地方自治体の条例でも、副業に関する規定が定められているので申請の前によく確認しておきましょう。

下記での条件であれば、公務員であっても副業に該当せずアパート経営が可能です。

4棟9部屋以下に抑える

4棟9部屋以下の規模であれば、営利目的と見なされず、アパート経営することが可能と考えられています。一方で、それ以上の規模(5棟10室)になると、営利目的と見なされ違反行為に該当します。

公務員がアパートを持つためには法令を遵守する必要があります。

不動産又は駐車場の賃貸 次のいずれかに該当する場合
(1)不動産の賃貸が次のいずれかに該当する場合
イ 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。
ロ 独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。

引用:人事院規則14-8の運用について

家賃収入は年間500万円を超えないように抑える

部屋の制限以外に、家賃収入にも条件が定められており、年間家賃収入を500万円を超えない範囲に設定する必要があります。

年間500万円未満という家賃収入の制限は、公務員の職務と私的な利益の区別を明確にするためです。家賃収入が500万円を超えると、アパート経営が公務員の主たる収入源となってしまうおそれがあり、職務に専念できない可能性があるためです。

家賃が一棟9部屋(3階建て)で家賃が5万円であれば、5万円*9室*12ヶ月=540万円となってしまうのでアウトとなります。
4.5万円であれば、4.5万円*9室*12ヶ月=486万円となりセーフとなりますが、意図的に家賃を下げてしまうと収益性が悪化し、建物の価値を自ら下げることになるので満室想定が500万円を超えてしまう物件には最初から投資をしない選択が賢いです。

管理業務は自分で行わない

アパート経営の管理業務には、入居者募集、契約手続き、家賃徴収、クレーム対応、修繕管理など、様々な業務が含まれます。

公務員は、本業に専念する義務があります。
アパート経営の管理業務を自分で行ってしまうと、多くの時間を費やす必要があり、本業に専念する義務に抵触する可能性があります。

 5 「人事院が定める場合」は、次に掲げる場合とする。
一 不動産又は駐車場の賃貸に係る自営を行う場合で、次に掲げる基準のいずれにも適合すると認められるとき。
(2) 入居者の募集、賃貸料の集金、不動産の維持管理等の不動産又は駐車場の賃貸に係る管理業務を事業者に委ねること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること。

引用:人事院規則14-8の運用について

そのため、管理業務においては不動産管理会社に依頼、委託する必要があります。

また最悪、ご自身で行ってしまった際、入居者とのトラブルやクレーム対応などに巻き込まれると、公務員の品位を損なう可能性があります。

公務員がアパート経営を始めるための手順

公務員がアパート経営をはじめるにあたって、国家公務員であれば所属する各省庁、地方公務員であれば役所に事前に申請をし、承認を得る必要があります
一方で、申請した内容のすべてが認められるとは限らないという点に注意しましょう。

例えば、持ち家に住んでいたが転勤となってそれを賃貸として貸し出すような場合には、承認が得やすいでしょう。

承認されるまで様々な手続きや、必要書類を揃えたりいろいろと面倒な部分はありますが、申請は必ず行うようにしましょう。
黙ってこっそり家主業を行ったことが発覚すると、間違いなく処分を受けることになります。

必要な書類と申請方法

まずは「自営兼業承認申請書(不動産等賃貸関係)」の提出が必要になるので必要事項を記入し、提出します。
その際には、その根拠となる以下の資料の提出もあわせて必要になります。

  1.  不動産登記謄本
  2.  賃貸契約書などの写し
  3.  不動産管理業務委託契約書
  4.  その他参考となる資料

その他参考となる資料には、レントロール(賃貸条件一覧表)や物件概要書(マイソク)などがあれば良いでしょう。

レントロールに記載された内容がすでに想定家賃収入が500万円を超えていた場合はまず承認されません。
ただし、収益物件を相続した場合などは例外的に認められるケースが多くあります。

申請が受理されると、審査が行われます。審査基準は、所属する各省庁や地方自治体によって異なる場合がありますが、一般的には、以下の点について審査されます。

  • アパート経営が本業に支障をきたさないか
  • アパート経営が公務員の品位を損なわないか
  • アパート経営が法令遵守されているか

審査に合格すると、許可証が発行されます。

申請のタイミング

アパート経営を始める前に申請しておくとよいです。
事後に行うと処罰を対象となる可能性があります。

また、許可が下りるまでかなりの時間がかかりますので余裕を持って、数か月前から申請を行うようにしましょう。
銀行のローンを申し込んで審査OKとなったあと、承認されなかった場合のショックは大きいです。

アパート経営の管理会社の選び方とその重要性

これは公務員のみならず、すべての不動産投資家に言えることがですが、アパート経営において、不動産管理会社選びは成功の鍵を握る重要な要素の一つです。
適切な管理会社を選ぶことで、空室対策、入居者対応、修繕管理などの業務を効率的に行うことができ、収益性の高い安定したアパート経営を実現することができます。

アパート経営には、入居者募集、契約手続き、家賃徴収、クレーム対応、修繕管理など、様々な業務が伴います。これらの業務を家主自身で行うのは時間的にも労力的にも負担が大きいため、多くの家主は管理会社に委託しています。

一方で、不動産管理会社によって管理料やサービス内容は大きく異なるため、安易に選ぶとトラブルに繋がる可能性もあります。

管理手数料を確認する

管理手数料は、不動産管理会社によって異なります。

一般的には、家賃の3~8%程度が目安ですが、老舗の不動産会社だと10%というところもあります。
収益性を考えると多くても5%程度までの不動産管理会社にお願いすると良いでしょう。

ただし、手数料が安いからといって必ずしも良いとは限りません。中には、必要最低限のサービスしか提供せず、トラブル対応などが不十分な最低な不動産管理会社もありますので、しっかりとした精査が必要です。
管理委託をお願いする前には、必ず提供されるサービス内容をしっかりと検討しましょう。

過去の実績を確認する

過去、現在の管理実績は、管理会社の信頼性を判断する上で重要な指標となります。

  • どのくらいの規模のアパートを管理しているのか
  • 全体の入居率はどのくらいなのか
  • 入居者からのクレームはどのくらいなのか

などを確認することで、管理会社の能力や経験を推測することができます。

会社概要などがあれば必ずもらいましょう。
従業員が多い不動産会社は比較的成功率が高いですよ。

担当者の対応を確認する

管理会社とのやり取りは、主に担当者を通して行われます。担当者が専門的な知識をもって親切丁寧に対応してくれるかどうかは、円滑な業務遂行にとって非常に重要です。

実際に会ってみて、話しやすいと感じられる担当者を選ぶようにしましょう。

また、退去時の修繕、原状回復工事においても工事内容にしっかりと受け答えが出来るかというのもポイントの一つです。
家賃収入が500万円に限られているので、出せる工事資金も限られてくるはずで、毎回毎回フルリフォームを提案してくるような不動産管理会社は危険です。

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適切な管理会社を選ぶことで、アパート経営の収益性を向上させることができたという実例は数多く存在します。

例えば、以下のような例があります。

  1. 空室対策に強い管理会社に委託することで、空室率を大幅に削減し、収益性を向上させたケース
  2. 入居者対応に強い管理会社に委託することで、入居者満足度を高め、長期滞在を促進させたケース
  3. 修繕管理に強い管理会社に委託することで、修繕費を抑え、収益性を向上させたケース

これらの例からも分かるように、アパート経営における管理会社選びは非常に重要です。

公務員のアパート経営のメリットとデメリット

公務員がアパート経営を行うには、メリットとデメリットを理解した上で、慎重に検討する必要があります。

【メリット】安定した副収入が得られる

アパート経営は通常、定期的な家賃収入を得ることが出来、これにより安定したキャッシュフローが生まれます。

返済を考えても毎月13-18万円程度の手残りを得ることが出来ます。
しかし、その手残りを毎月生活費として使用することは推奨出来ませんが、老後を考えて毎月の家賃収入を積み立てることで賢く生きれることでしょう。

アパート経営を成功させるためには、地域市場の動向を理解し、質の高い不動産管理会社に委託することが不可欠です。これにより、リスクを最小限に抑えつつ、副業からの利益を最大化することが可能となります。

【メリット】融資が受けやすい

公務員は国家や自治体がある存在する限り、続けている以上は安定した収入があり、社会的な信用も大きいものになります。

よって銀行ローンも審査が通りやすいのは間違いないですが、不動産投資1軒目であれば頭金が必要になることは民間人と変わりありません。
ただし、金利が少し優遇されたりするのは公務員では多い例でしょう。

1棟目の不動産投資でキャッシュフローがよくなり、銀行が評価すれば2棟目からは頭金なしで行けたりするのが通例ですが、残念ながら公務員では500万円の壁を越えてしまう可能性があり、チャレンジするのは難しいです。

【デメリット】確定申告が必要になる

公務員や会社員などの給与所得者は、会社が源泉徴収として毎月給与から差し引くので確定申告を行う必要はありませんが、年間20万円を超える所得が想定されるアパート経営を行う場合、家賃収入は課税対象となるため、利益が出ている場合は毎年継続して確定申告が必要となります。

ただ、確定申告はすべてがデメリットというわけではなく、実際には黒字でも帳簿上で赤字になれば、給与所得を減らして同時に所得税を減らすことも出来ます。

確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があり、それぞれメリットとデメリットがあります。公務員がアパート経営で確定申告を行う場合、どちらの申告方法を選ぶべきかは、個々の状況によって異なります。アパート経営を始める前に、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

【デメリット】波にのったからといって規模を大きくすることが出来ない

公務員がアパート経営を行った場合で、いくら順調とはいえ条件の定めがある以上は規模をそれ以上に大きくすることは出来ません。

公務員で不動産投資を行うぐらいの年齢であればそれなりにご年配になっている可能性もあるので、定年が来るまでにその賃貸経営についてのノウハウをしっかり学んでおき、退職後に事業拡大を行うというのも一つの方法です。

アパート経営に関するQ&A

Q1: 公務員でもアパート経営を行うことは可能ですか?
A1: はい、可能です。ただし、公務員がアパート経営を行うには国家公務員法や地方公務員法の規定を守る必要があります。具体的には、アパート経営が本業に支障をきたさないよう、収益物件の規模や家賃収入に制限が設けられているため、これらの条件を満たしている場合に限りアパート経営を行うことができます。
Q2: 公務員がアパート経営を始める際に必要な手続きは何ですか?
A2: 公務員がアパート経営を始める前には、まず所属する機関に申請を提出し、承認を得る必要があります。申請にはアパートの詳細、規模、予想収入、管理方法などの詳細を含める必要があります。また、管理業務は自ら行わず、不動産管理会社に委託しなければなりません。
Q3: 公務員がアパート経営で注意すべき点は何ですか?
A3: 公務員はアパート経営によって公務に支障が出ることを避けなければなりません。特に、アパートの規模が大きくなりすぎたり、管理業務に時間を取られすぎたりすると規定の範疇を超える結果となり、違反になる恐れが大です。また、アパートからの収入が高額になりすぎると、公務員としての職務に影響を及ぼす恐れがあるため、年間家賃収入は500万円未満に抑える必要があります。これらの規制を遵守することで、公務員としての信頼性を保ちつつ副業を行うことが可能です。

公務員がアパート経営をするためのまとめ

公務員がアパート経営を行う場合、国家公務員法および地方公務員法の厳格な規定に従う必要があります。
これらの法律は、公務員の副業が公務に支障をきたすことのないよう制限しており、アパート経営が公務員の品位を損なう行為や利益相反行為に該当しないよう留意する必要があります。

また開始するには適切な申請手続きを行い、許可を得ることが不可欠です。管理業務を自身で行わず、専門の不動産管理会社に委託することも重要です。

重要なポイント

  1. 法令遵守:
    国家公務員法および地方公務員法に基づき、アパート経営に必要な規制を厳守する。
  2. 申請手続き:
    所属する機関に対して正式な副業申請を提出し、承認を得る。
  3. 管理業務の委託:
    不動産管理はプロの管理会社に委託し、職務に専念すること。
  4. 収益規模の制限:
    アパートの規模と収益が法定の基準を超えないよう管理する。
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