「冬になると、家の中なのにどうしてこんなに寒いんだろう…」
と、毎朝布団から出るのがつらいと感じていませんか?
暖房をつけてもなかなか部屋が暖まらない、足元が冷えてつらい、光熱費も気になって仕方ない。そんなお悩みを抱えている方は、きっとこの記事を読んでいるあなただけではないはずです。
この記事では、長年住宅の寒さ対策に携わってきたプロが、家の寒さの原因を特定し、今日からできる簡単な対策から、本格的なリフォームまで、あなたの状況に合わせて選べる情報が満載です。
対策を実践することで寒さ対策のみならず、光熱費も大幅に削減できます!
この記事を読むことで、あなたはもう「寒い家」に悩む必要はありません。
暖かく快適な生活を手に入れ、家族みんなで笑顔で冬を過ごせるようになるでしょう。
さあ、一緒に「寒い家」とさよならしましょう!
まずは家の寒さの原因を知ること!
窓からの冷気
家の寒さの大きな原因の一つは、窓から侵入する冷気です。
窓は壁に比べて断熱性能が低いため、外の冷たい空気が室内に伝わりやすく、室内の暖かい空気が外に逃げやすいという性質があります。
特に冬場は、この窓からの冷気の影響が大きく、部屋全体を冷やしてしまうのです。
窓から冷気が侵入する主な理由は、以下の3点です。
まず、熱伝導率の高さがあります。ガラスは、他の建材(壁の断熱材など)に比べて熱を伝えやすい性質を持っています。そのため、どうしても外の冷気がガラスを通して室内に伝わりやすくなります。
次に、隙間の存在です。窓枠とガラスの間、サッシと壁の間などに隙間があると、そこから直接冷たい風が入り込んできます。
そして最後に放射冷却です。夜間、窓ガラスが外気に冷やされ、室内の熱が外に逃げていく現象(放射冷却)も、窓からの冷えの原因となります。
壁からの熱損失
家の寒さの原因として、窓からの冷気に次いで見過ごせないのが「壁からの熱損失」です。
壁は、窓に比べて面積が大きいため、断熱性能が低いと、そこから大量の熱が逃げてしまい、室温が低下する大きな要因となります。
壁からの熱損失は、以下の要因によって起こります。
まずは断熱材の有無と性能です。古い住宅であればそもそも断熱材が入っていなかったり、断熱性能の低い断熱材が使われていることもあります。
仮にあったとしても、断熱材は経年劣化するために、本来の断熱性能を発揮できなくなっている場合があります。特に、湿気やカビの影響を受けると、劣化が進みやすくなります。
外壁材の材質によっても熱の伝わりやすさが異なります。例えば、金属製の外壁材は、熱を伝えやすい性質があり、夏は暑く、冬は寒くなりやすいです。
そして、外気との温度差です。外気温と室温の差が大きいほど、熱は壁を通して移動しやすくなります。特に冬場は、外気温が低いため、壁からの熱損失が大きくなりやすいといえます。
床からの冷気
家の寒さを感じる原因として、見過ごせないのが「床からの冷気」です。
特に冬場は、床が冷たくなることで足元から体全体が冷えてしまい、不快感や体調不良につながることもあります。
日本の住宅では、床下空間が設けられていることが一般的ですが、この床下は、地面に近いことから外気温の影響を受けやすく、冬場は冷たい空気が溜まりやすい場所です。それらは、床下の換気口から冷たい空気が入り込むことで、床が冷やされてしまいます。
フローリング、タイル、コンクリートなどの床材は、熱を伝えやすい性質を持っています。そのため、余計に床下の冷気が床材を通して室内に伝わりやすくなります。
日本家屋のような床材自体に断熱性能がない場合、床からの冷えを遮断することは難しくなります。
実例
床下の冷気が気になった方は、床下収納などがあれば一度その収納カゴを外して床下に手を入れてみてください。
夏場であっても想像以上にひんやりしているはずだし、冬であれば相当冷たい空気を感じるはずです。
断熱性能の基礎知識
家の寒さ対策を考える上で、最も重要な要素の一つが「断熱性能」です。
断熱性能とは、建物が外気の影響を受けにくく、室内の温度を一定に保つ能力のことを指します。断熱性能が低い家は、冬は寒く、夏は暑くなりやすく、快適な暮らしを送るのが難しくなります。
断熱性能は、住宅の省エネ性能を決定づける最も重要な要素です。
2025年10月からは省エネ基準への適合が義務化され、新築住宅は高い断熱性能が求められるようになります。
断熱性能の要素
- 断熱材の種類と性能
★ 素材: 断熱材には、グラスウール、ロックウール、ポリスチレンフォーム、ウレタンフォームなど様々な種類があります。それぞれの素材によって、断熱性能や吸湿性、価格などが異なります。
★ 厚み: 断熱材の厚みは、断熱性能に大きく影響します。厚いほど、断熱効果が高まります。
★ 施工: 断熱材が適切に施工されていないと、隙間ができたり、断熱材が偏ったりして、十分な効果を発揮できません。 - 窓の断熱性能
★ ガラスの種類: 単板ガラス(一枚ガラス)は、断熱性能が低く、熱を伝えやすいです。複層ガラス(ペアガラス)やLow-Eガラスは、断熱性能が高く、熱の出入りを抑える効果があります。
★ サッシの種類: アルミ製のサッシは熱を伝えやすいですが、樹脂製のサッシは断熱性能が高いです。 - 気密性
★ 隙間の有無: 建物の隙間から外気が侵入すると、断熱性能が低下します。気密性を高めることで、隙間風を防ぎ、断熱効果が向上します。 - 熱橋(ヒートブリッジ)
★ 構造材: 鉄骨やコンクリートなどの構造材は、熱を伝えやすい性質があり、断熱材で覆われていない部分から熱が逃げてしまうことがあります。
★ 対策: 熱橋対策として、構造材を断熱材で覆うなどの工夫が必要です。
光熱費を抑えながらできる手軽な寒さ対策
どうしてもイニシャルコスト(購入する費用)は掛かりますが、一旦対策を行うことで断熱効果があがり、灯油の使用料削減やエアコン使用による電気代を抑えることが出来ます。
窓まわりの対策(カーテン・すき間テープ・断熱シート)
窓まわりの対策は、光熱費を抑えつつ、手軽にできる寒さ対策として非常に効果的です。
特に「すき間テープ」「断熱シート」「カーテン」を組み合わせることで、窓からの冷気をシャットアウトし、室内の暖気を逃がさない効果が期待できます。
窓は、住宅の中で最も熱の出入りが多い場所です。
特に冬場は、窓から冷気が侵入し、室内の暖気が逃げやすい状態になりがちですが、以下の対策をすることで、この熱の出入りを抑え、暖房効率を高めることができるといえます。
カーテン
厚手のカーテンや、断熱効果の高い素材を使用したカーテンは、窓と部屋の間に空気層を作り、断熱効果を高めます。
それがまた夏場であれば、日中の太陽光による室温上昇を抑える効果もあります。
設置する際は、床上1cm以上の余裕を持たせ、カーテンボックス(もしくはカーテンレール)の端までしっかり覆うようにしましょう。
安く薄いカーテンの効果はやはり見た目通りです。カーテンを選ぶ際は、1級遮光+断熱性が高いものを選んでください。
すき間テープ
窓のサッシや枠には、わずかな隙間があることが多く、そこから冷たい外気が侵入する原因になります。隙間テープは、この隙間を埋めることで、隙間風を防ぎます。同時に、室内の気密性が向上し、暖気が逃げにくくなります。
使用する際は、サッシ枠と建具の隙間に貼付します。建物が経ってから長い年月が経つと歪みが生じてきますので、特に上下の戸当たり部分を重点的に施工してください。
100円ショップでも売っていますが、100円ショップのものはどうしても耐久性に問題があります。何度も貼り付けるのも手間なので、通販かホームセンターでより良いものを選ぶようにしましょう。
断熱シート
窓ガラスに直接貼り付ける断熱シートは、空気層を作ることで、窓ガラスからの熱伝導を抑制し、室内の暖気が窓ガラスで冷やされて結露するのを防ぐ効果もあります。
窓ガラス全体に貼り付けします。この際、気泡が入らないように水スプレーなどを使用して気泡を追い出すように施工します。スマホのフィルムを貼る感覚で貼り付けます。
選ぶ際は、透明度より断熱性を重視するようにしましょう。
床の寒さ対策(ラグ・カーペット・断熱シート)
床の寒さ対策は、足元からの冷えを解消し、部屋全体の暖かさを保つために重要なもののひとつです。
特に「ラグ」「カーペット」「断熱シート」を組み合わせることで、手軽に光熱費を抑えながら効果的な寒さ対策ができます。
床は、地面に近いため外気温の影響を受けやすく、冬場は冷たくなりやすい場所です。以下の対策を行うことで、床からの冷気を遮断し、暖房効率を高めることができます。
ラグ・カーペット
ラグやカーペットは、床と足の間に空気層を作ることで、熱が伝わりにくくし、床からの冷気を遮断します。
様々な商品がある中で、厚手のものやウール素材のものは、断熱効果が高いです。
逆に安く薄いカーペットは、断熱効果は極めて低いです。
また若干でも、室内の暖気を床から逃がしにくくする効果もあります。
注意
ネットで買うと安いものも多いですが、ラグ選びは必ず現物を触って確認することをお勧めします。ネット通販だと触感や重さの判断が難しく、失敗するケースが多いようです。
カインズホームやニトリ、東京インテリアなどに出向くと確認することが出来るでしょう。
断熱シート
ラグやカーペットの下に断熱シートを敷くことで、さらに断熱効果を高めることができます。
その中でも、アルミ素材の断熱シートは、熱を反射する効果があり、床からの冷気を遮断するのに有効です。
さらに断熱シートがあることで、床下からの冷気を直接遮断する役割も果たします。
断熱シートは厚さ5mm以上で、継ぎ目はテープでしっかり固定しましょう。テープで固定というとださいですが、見えるところではないので気にしてはいけません。
サーキュレーターで温度ムラを解消
サーキュレーターは、室内の空気循環を促進することで、暖房効率を高め、温度ムラを解消する効果的なアイテムです。
光熱費を抑えながら、快適な暖かさを実現するために、ぜひ活用しましょう。
暖房を使用すると、暖かい空気は天井付近に溜まりやすく、足元は冷たいままになりがちです。この温度ムラは、暖房効率を低下させるだけでなく、体感温度の低下にもつながります。
サーキュレーターは、直線的な風を送り出し、室内の空気を強制的に循環させます。天井付近に溜まった暖かい空気を床付近にも送り込み、部屋全体を均一に暖めます。
冷たい空気も同様に循環させることで、特定の場所に冷気が滞留するのを防ぎます。
効果的なサーキュレーターの使用法
- 設置位置
★ 暖房機器から2-3m離す
★ 床上30-50cmの高さ
★ 壁から50cm以上離す - 風向き設定
★ 上向き20-30度
★ 首振り角度60-90度
★ 風量は弱~中 - 運転タイミング
★ 暖房開始15分前から稼働
★ 室温が安定したら風量を下げる
ヒント
サーキュレーターと扇風機の違い
サーキュレーターと扇風機の違いは、風を送る範囲と風量です。 扇風機は暑い時に人が涼しむためのアイテムで広い範囲に穏やかな風を送れるのが特徴です。その一方で、サーキュレーターは狭い範囲で直線的に強い風が送れるので結果として空気を循環させます。
間仕切りで暖かい空気を逃がさない
間仕切りは、部屋の空間を区切ることで、暖房効率を高め、暖かい空気を逃がさないようにする効果的な方法です。
光熱費を抑えながら、効率よく部屋を暖めるために、ぜひ活用してみましょう。
間仕切りの適切な設置により、暖房効率を30%程度改善できます。
暖房器具で部屋を暖める際、空間が広ければ広いほど、暖めるのに多くのエネルギーが必要になりますが、 間仕切りで空間を区切ることで、暖房する範囲を限定することができます。それによってエネルギーの消費を抑えることが出来、かつ温かい空気が他の部屋や廊下などに逃げるのを防ぎます。
賃貸物件のお部屋によっては、DKやリビングから脱衣所に壁や建具がないお部屋があります。
そのような個所にカーテンを留めるだけで暖房効率は遥かに上昇します。
カーテンの他にのれんやアコーディオン、パーテーションなどがありますが視覚的にださいところや重たい、必要ない時の置き場所に困ったりするのが難点です。
加湿で体感温度をアップ
加湿は、室内の湿度を適切に保つことで、体感温度を上げ、暖房効率を高める効果的な方法です。
光熱費を抑えながら、快適な暖かさを実現するためにもぜひ加湿器を活用してみましょう。
冬場は、空気が乾燥しやすく、暖房を使用するとさらに乾燥が進みます。乾燥した空気は、体から熱を奪いやすく、体感温度を低下させる原因となります。
過失を行うことで、体から熱が奪われにくくなり、体感温度が上昇します。これは、湿度が高いほど、空気中の水分が熱を保持しやすくなるためです。
それ以外のメリットとして冬場の大敵である、乾燥による喉の痛みや肌のかゆみなどの不快感を防ぎ、健康的な生活を送るための基本となり、湿度が高いと、空気中に熱が保持されやすくなり、同じ暖房器具を使っても、部屋全体が暖まりやすくなります。
部屋別の具体的な寒さ対策
浴室・脱衣所の寒さ対策
浴室と脱衣所は、家の中でも特に寒暖差が大きい場所です。
適切な寒さ対策を行うことで、快適に入浴できるだけでなく、健康を守るためにも重要になってきます。
入浴時は温かいお湯に浸かるため、室温が低いと体への負担が大きくなります。
脱衣所においては浴室から出た直後、温かい状態から急に冷たい空気にさらされるため、体温が急激に下がりやすいです。
急激な温度変化は、血管の収縮を引き起こし、ヒートショックにつながる可能性があります。特に高齢者や高血圧の方は、注意が必要です。
浴室・脱衣所の寒さ対策
- 入浴前に浴室を温める
シャワーを数分間流したり、浴室暖房を使用することで、入浴時の温度差を緩和しましょう。 - 浴室暖房機(浴室乾燥機)
浴室全体を暖め、入浴中の寒さを防ぎましょう。 - 小型ヒーター
脱衣所を素早く暖め、入浴後の体温低下を防ぐ。小さなハロゲンヒーターなどでも十分です。 - 厚手のバスマット・足拭きマット
なるべく厚手のものを設置することで足元からの冷えを防止できます。 - 吸水性の高いタオル
体についた水分を素早く拭き取り、体温の低下を抑えましょう。 - 着る毛布・バスローブ
入浴後に体を素早く温め、体温低下を防ぎましょう。
トイレ・洗面所の寒さ対策
トイレや洗面所は、家の中でも比較的狭く、使用時間が短い場所ではありますが、寒さ対策を怠ると、不快感や体調不良の原因となることがあります。
これらの場所に適した寒さ対策を行うことで、快適な生活空間を維持することができます。
とはいうものの、トイレや脱衣所は短時間しか使用しないため、そこに暖房器具をわざに設置して長時間稼働させるのは非効率です。
トイレ・脱衣所の寒さ対策
- 小型ヒーター
トイレ使用前に素早く暖める。センサーで自動オン・オフするものがあります。 - 暖房便座
温水洗浄便座で大体機能としてついています。便座を温め、冷たさを軽減させます。設定は、「強」でなくても「弱」で十分です。 - スリッパ
え?スリッパ?と思いがちですが、足元を温め、床からの冷えを防ぎます。 - 厚手のバスマット・足拭きマット
足元からの冷えを防止します。 - 吸水性の高いタオル
体についた水分を素早く拭き取り、体温の低下を抑えます。 - 加湿器
乾燥を防止する(ただし、過度な加湿はカビの原因になるため注意が必要)
キッチンの寒さ対策
キッチンは、毎日使う場所でありながら、意外と寒さを感じやすい場所です。
適切な寒さ対策を行うことで、冬場の家事の負担を軽減し、快適に過ごすことができます。
キッチンでの調理中は換気扇を回すため、室内の暖気が外に逃げやすく、寒くなりやすい場所で、また、頻繁に水を使うため、手元が冷えやすく、体感温度が非常に低いはずです。
さらに立ち仕事が中心となるため、足元も冷えます。
冷たい蛇口を触るのは余計に寒くなりますが、だからといってセンサー式蛇口などはコスト的にいかがなものか、と正直思ったりしますが、キッチンには気軽に出来る対策があまりないというのが本音です。
キッチンの寒さ対策
- 小型ヒーター
トイレ同様、小型ヒーターがお勧めです。足元や手元を素早く暖めます。 - 断熱マット・キッチンマット
床からの冷気を遮断し、足元の寒さを軽減します。 - 厚手のスリッパ
足元を温め、床からの冷えを防ぎます。
本格的な寒さ対策(リフォーム)
ここからはリフォームに該当するので、どうしてもコストが掛かってきますが、断熱性能はもちろんあがります。
その中でも最も費用対効果の高いものを選ぶようにしてください。
床下・基礎の断熱工事
床下・基礎の断熱工事は、住宅全体の断熱性能を向上させる上で非常に効果的なリフォームです。
特に、築年数の古い住宅や、床からの冷えが気になる場合は、根本的な寒さ対策として検討する価値があるかもしれません。
床下や基礎は、地面に接しており、外気温の影響を直接受けやすい場所です。冬場は、床下や基礎が冷えることで、室内の床が冷たくなり、足元からの冷えを感じやすくなります。床下・基礎の断熱工事は、以下のメカニズムで住宅の断熱性能を向上させます。
床下の冷気遮断
床下に断熱材を設置することで、地面からの冷気を遮断し、床下の温度を安定させます。
施工することで床の表面温度が低下するのを防ぎ、室内の足元からの冷えを軽減します。
例えば古い日本家屋などでは床下に断熱材なんかありません。
そのような場合、もっとも手っ取り早いのが、スタイロフォーム(極めて簡単にいえば燃えない発泡スチロールのような断熱材)などを床下に貼り付け、施工することです。
施工の仕方は様々でそれによってリフォーム費用は異なってきますが、床下に断熱材を設置することで、地面からの冷気を遮断し、床下の温度を安定させます。
断熱材は基本的には防湿性能も備えているため、床下の湿度をコントロールし、カビや腐朽を防ぐ効果もあります。
ただし、もちろんこれらも経年劣化するため、永遠に持つことはありません。
窓のリフォーム(断熱サッシ・複層ガラス)
窓のリフォーム(断熱サッシ・複層ガラス)は、住宅の断熱性能を向上させる上で、非常に効果的な対策です。
特に、古い住宅や、窓からの冷気で悩んでいる場合は、根本的な寒さ対策として検討する価値があると言えます。
窓は、住宅の中でも熱の出入りが最も多い場所です。
冬場は、窓から冷気が侵入し、室内の暖気が逃げやすくなります。窓のリフォーム(断熱サッシ・複層ガラス)は、以下のメカニズムで住宅の断熱性能を向上させます。
おすすめの窓の断熱リフォーム
- 断熱サッシの導入
断熱サッシは、熱を伝えにくい樹脂や木材などをフレームに使用しており、アルミサッシに比べて熱の出入りを大幅に抑えることができ、さらに気密性が高く、窓枠からの隙間風を防ぎます。
築年数の新しい新築戸建てやアパートであれば大多数は樹脂サッシが採用されているはずです。 - 複層ガラスへの交換
複層ガラス(通称ペアガラス)は、2枚以上のガラスの間に空気層を設けることで、熱の伝わりを抑制し、断熱効果を高めます。Low-Eガラスは、特殊な金属膜をコーティングしたガラスで、太陽光の熱を反射し、室内の熱を逃がしにくくする効果があります。
さらにペアガラスであれば防音にもなります。 - 内窓(二重窓)の設置
内窓を設置することで、既存の窓との間に空気層ができ、断熱効果がさらに高まり、内窓は結露を抑制する効果もあります。
一方で、欠点として見かけが悪くなったり、部屋が狭くなります。
壁・天井の断熱リフォーム
壁・天井の断熱リフォームは、住宅全体の断熱性能を向上させる上で、これもまた非常に重要な対策です。
特に、築年数の古い住宅や、壁や天井からの冷気を感じる場合は、根本的な寒さ対策として検討する価値があります。
壁や天井は、住宅の中でも広い面積を占めており、外気の影響を受けやすい部分です。
断熱性能が低いと、冬場は室内の熱が外に逃げやすく、寒さを感じやすくなります。
おすすめの壁・天井の断熱リフォーム
- 断熱材の追加・交換
築年数の古い住宅では、断熱材が経年劣化し、本来の断熱性能を発揮できなくなっていることがあります。また、断熱材が不足している場合もあります。
断熱材には様々な種類があり、それぞれの特性を理解して、適切なものを選ぶようにしましょう。
グラスウール、ロックウール、ポリスチレンフォーム、ウレタンフォームなどが代表的ですが、先ほど書いたスタイロフォームはポリスチレンフォームに該当します。 - 気密シートの活用
さらに気密シートを使用することで、隙間風を遮断し、室内の気密性を高めることができます。
この気密シートは住宅用プラスチック系防湿フィルムともいい、それを使用することで、壁や天井にあるわずかな隙間から熱を逃がさないようにします。
逆にいえば、見えない部分なので施工が悪いと意味がないというものになってしまいます。
これも経年劣化し、20年程度で腐って破け、効果がなくなります。
補助金・減税制度の活用
断熱リフォームでは、国・都道府県・市区町村の3層の補助金と減税制度を組み合わせることで、最大で工事費の70%程度まで補助を受けられる可能性があります。
補助金利用状況
国土交通省「断熱改修補助金制度利用実態調査2023」によれば、、
補助金別 | 上限額 | 採択率 |
---|---|---|
国(こどもエコすまい) | 100万円 | 85% |
都道府県 | 30-50万円 | 75% |
市区町村 | 20-30万円 | 90% |
減税制度の効果として、所得税控除が最大50万円認められたり、固定資産税の減額期間が3年になったりしますので、ぜひ市区町村に問い合わせてみましょう!
業者によっては、そんなもんは聞いたことがない。なんていう業者が多いのは事実ですが、実際には様々な分野で実は補助金が出ています。
今回の断熱リフォームにおいては、事実、補助金制度が活用できることが多いので、ご自身でも調べてみてください。
しかし、この内容は市区町村によって大きく異なるので、当記事内では100%のことが言いきれませんが、、、
ただ、唯一一つだけ言っておけばまぁまぁ面倒臭いことがデメリットになりますが、それでも補助金を受けられる恩恵のほうが大きいです。
家 寒い 対策、もう一度おさらい
冬の寒さは、住宅の断熱性能の低さや、隙間風、床からの冷えなどが原因です。
これらの問題を放置すると、体調不良や光熱費の増加につながります。
今すぐ出来る簡単対策
- 窓の対策
厚手カーテンや断熱シート、隙間テープを活用し、窓からの冷気をシャットアウト。 - 床の対策
ラグやカーペットを敷き、足元からの冷えを防止。断熱シートを併用するとさらに効果的。 - 空気の循環
サーキュレーターを使って、部屋全体の温度ムラを解消。暖かい空気を足元に送るように意識しましょう。 - 加湿
加湿器を使って、湿度を適切に保ち、体感温度をアップ。 - 間仕切り
間仕切りを利用し、暖房範囲を限定することで、暖房効率を向上。 - 暖房器具の配置
暖房器具を窓際に置き、冷気を遮断。
部屋別の対策
- リビング
断熱カーテン、ラグ、サーキュレーターを基本に、窓下ヒーターやパネルヒーターなどを併用。 - 寝室
厚手のカーテン、暖かい寝具を使い、加湿器で乾燥を防ぐ。 - 浴室・脱衣所
入浴前に浴室を温め、脱衣所は小型ヒーターですばやく暖める。バスマット、吸水性タオルなども活用。 - トイレ・洗面所
小型ヒーターや暖房便座で、瞬間的に暖める。 - キッチン
小型ヒーターやキッチンマットを活用。換気扇の使用を最小限に。
これらの対策を組み合わせることで、寒さによる不快感を解消し、快適で健康的な冬を過ごすことができます。まずは、手軽にできることから始め、必要に応じてリフォームも検討してみましょう。
リフォームを考えている場合にはぜひ補助金についても調査してみてください。