初めての一人暮らし。
「アンペアって何?」
「ブレーカーが頻繁に落ちてストレス!」
そんな不安を抱えていませんか?
この記事では、一人暮らしに最適なアンペア数の選び方を徹底解説。
ブレーカーが落ちるリスクも、無駄な基本料金も避けられる「賢い契約」のコツをお伝えします。
あなたの暮らし方に合った最適なアンペア数が必ず見つかるはず!
一緒に、快適で賢い一人暮らしを始めましょう!
アンペアとは?電気の基礎知識
このあたりは中学生の時に学んだことを少し思い出してみましょう!
あー!なるほど!と理解しやすくなるはずです。
アンペア(A)は1秒間に流れる電気の量を示す単位
アンペア(A)とは、1秒間に導線を流れる電気の量(電流)を表す単位です。一般家庭では、この契約アンペア数によって使える電気の量が決まります。
多くの電化製品を同時に使用する場合や、消費電力の大きい電化製品を使用する場合は、必要なアンペア数が大きくなります。契約アンペア数が不足するとブレーカーが落ちてしまうため、使用する電化製品に合わせて適切なアンペア数を選ぶ必要があります。
日本の一般家庭配電は100ボルト(V)で統一されており、一般家庭の標準的な契約範囲は20~60Aです。
間取りにもよりますが、賃貸住宅では20~50A、戸建てでは50~60Aが一般的です。
主な家電製品のアンペア使用料
家電製品 | 消費アンペア |
---|---|
エアコン | 6-10A |
電子レンジ | 10-12A |
ドライヤー | 8-12A |
冷蔵庫 | 1.5-2A |
トイレ電球(ミニクリプトン球) | 0.4A |
30A契約で同時に使える電気の量は?
OKな例
エアコン(8A)+電子レンジ(12A)+冷蔵庫(2A) = 22Aなのでセーフ
NGな例
エアコン(8A)+電子レンジ(12A)+ドライヤー(12A) = 32Aなのでアウト
この場合、即ではないにしてもそのうちブレーカーが落ちます。
ボルト(V)とワット(W)との違い
ボルト(V)、ワット(W)は、それぞれ以下の意味を持つ電気の基本単位です。
また、これらの単位は国際単位系(SI)で定義されています。
先ほどのアンペア(A)も含めて解説すると、
- アンペア(A = 電流):電気の流れる量
- ボルト(V = 電圧):電気を押し出す力
- ワット(W = 電力):実際に消費される電力量
となります。
これらはそれぞれ異なる側面を表しており、水道管の例えを使うと、以下の様に理解できます。
- アンペア(A):水道管を流れる水の量
- ボルト(V):水道管の水圧
- ワット(W):水道管から流れる水の勢い(仕事率)
これらは互いに関連していて、電圧と電流をかけ合わせると電力が計算できます(電力(W) = 電圧(V) × 電流(A))。家電製品を選ぶ際には、消費電力(W)だけでなく、必要な電流(A)も考慮することが重要です。
電流(A)の求め方は 電力(W) ÷ 電圧(V) です。
計算式は単純です。
誰でも電卓さえあれば瞬時に計算出来ますね。
ヒント
日本の家庭用コンセントの電圧は一般的には100Vで一定です。
このコンセントにドライヤー(1200W)と電気スタンド(60W)を繋いだ場合を例に考えてみましょう。
ドライヤー(1200W、100V)は、12Aの電流が流れます。(1200W ÷ 100V = 12A)
電気スタンド(60W、100V)は、0.6Aの電流が流れます。(60W ÷ 100V = 0.6A)
契約アンペア数で基本料金が決まる仕組み
基本料金は契約アンペア数に比例して増加します。つまり、契約アンペア数が大きいほど基本料金も高くなります。
これは、電力会社がより多くの電気を供給できる体制を維持するためのコストを反映しているためです。
電力会社は、各家庭が契約しているアンペア数の上限まで、安定して電気を供給する義務を負っています。そのため、高いアンペア数を契約している家庭には、より大きな容量の電送設備や変電設備が必要となります。これらの設備投資や維持管理コストは、基本料金に反映されています。
電力会社や料金プランによって異なりますが、例えば以下のような料金体系(例として東京電力)があるとします。
契約アンペア数 | 基本料金(月、税込み) |
---|---|
10A | 286円 |
15A | 429円 |
20A | 572円 |
30A | 858円 |
40A | 1144円 |
50A | 1430円 |
60A | 1716円 |
上記表のように、契約アンペア数が大きくなるにつれて基本料金も高くなります。
契約アンペア数は、電気料金の基本料金に直接影響します。そのため、必要以上に高いアンペア数を契約していると、無駄なコストが発生することになります。使用する電化製品の消費電力を考慮し、適切なアンペア数を選択することが、電気料金節約の第一歩です。
一人暮らしに最適なアンペア数とは?
20~30Aが一般的な選択肢
一人暮らしの場合、20A~30Aが最適な選択肢です。
特に、標準的な電化製品を使用する一人暮らしでは、30Aがもっとも安全で経済的な選択となります。
実際、ほとんどの1K~1LDK物件では30Aで設定されているので、わざに変更する必要はありません。
たまに20Aや40A(主にオール電化)がありますが、その場合は必要に応じて契約を変更する必要があるかもです。
一人暮らしで使用する家電製品は、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、炊飯器、エアコン、テレビ、パソコンなど様々ですが、これらの消費電力の合計が契約アンペア数の許容範囲内であれば問題ありません。20~30Aで契約しておけば、一般的な一人暮らしの電力消費量に対応できると考えられ、無茶苦茶な使い方をしない限りはブレーカーが落ちることはありません。
仮に30Aだとして、暖房をフル稼働しながら、部屋でホットプレートで焼肉を焼いて、脱衣所が寒いからと部屋でドライヤーなどを使うとほぼ落ちます。
ライフスタイル別おすすめアンペア数
一人暮らしとはいえ、ライフスタイルによって必要なアンペア数は大きく異なります。
適切な選択で快適な生活と経済性の両立が可能です。
ざっくりライフスタイル別のライフシーンを表に書き出してみましょう。
ブレーカーがしょっちゅう落ちるという方は契約の見直しが必要かもしれませんが、その前に適切な電気の使い方を確認してみましょう。
例えば本来、炊飯器はキッチンで使うもので部屋で使うものではありません。ドライヤーも脱衣所で使うのが大半で部屋で使うものではありません。
ライフスタイル別の電気使用パターン
ライフスタイル | 使用頻度(多い電力使用時の参考) | 推奨アンペア | 月額基本料金(東京電力、税込み) |
---|---|---|---|
省エネ派(外食中心) | 朝:トースター+コーヒーメーカー 夜:エアコン+照明+テレビ | 20A | 572円 |
標準的な一人暮らし | 朝:電子レンジ+トースター 夜:エアコン+調理器具+照明+テレビ | 30A | 858円 |
在宅ワーク中心 | 昼:エアコン+PC+電気ケトル 夜:エアコン+調理器具+照明+テレビ | 40A | 1,144円 |
オール電化 | 朝:電子レンジ+トースター 夜:エアコン+調理器具+照明+テレビ+電気温水器 | 50~60A | 1,430円 |
アンペア数が適切でない場合のリスクと対処法
高すぎる場合:無駄な基本料金の発生
必要以上に高いアンペア数での契約は、毎月の基本料金の無駄な支出につながります。
季節により変動するとはいえ、一人暮らしで40A以上の契約は、特別な事情がない限り過剰な設定です。
実際問題、一人暮らしの90%は30A以下で十分足ります。40A以上の契約者の約70%が使用量と比較して過剰契約しているだけのことです。
契約差 | 月額差額 | 年間総額 |
---|---|---|
40A → 30A | 286円 | 3,432円 |
50A → 30A | 572円 | 6,864円 |
60A → 30A(戸建てに一人で住む場合など) | 858円 | 10,286円 |
過剰契約を避けるポイント
- 実際の使用料の確認
- 季節変動の考慮
- 同時使用する家電の把握
- 生活パターンの分析
低すぎる場合:ブレーカーが落ちるトラブル
契約アンペア数が低すぎると、電気の使用量が契約容量を超えた時にブレーカーが落ち、突然の停電が発生します。
特に20A以下の契約では、複数の家電の同時使用に注意が必要です。
ブレーカー落ち(ブレーカー遮断)の主な原因のほとんどはご想像の通り、同時使用による容量の超過です。
たまに機器の故障による漏電であるケースもありますが、比較的稀です。
家電の組み合わせ | 合計アンペア数 | 結果 |
---|---|---|
エアコン(8A)+電子レンジ(12A) | 20A | 限界 |
ドライヤー(10A)+電気ケトル(12A) | 22A | 遮断 |
エアコン(8A)+洗濯機(8A)+照明(2A) | 18A | 問題無し |
休日であれば洗濯機+掃除機の同時使用でブレーカーが落ちることもあります。
ブレーカー落ち防止対策
- 使用時間をずらす
- こまめにブレーカーを確認
- 家電の消費電力を把握
- 必要に応じて契約アンペアの見直し
一人暮らしであれば頻繁に落ちるとしても同時使用しなければいいだけの話なので、比較的対策は簡単ですね。
とはいえ、家族が増えたなどの場合は契約の見直しが必須となるでしょう。
現在の契約アンペア数の確認方法
分電盤(ブレーカー)での確認方法
契約アンペア数は基本的には分電盤(ブレーカー)で簡単に確認できます。
主幹ブレーカーに記載された数値(例:30)に「A」や「アンペア」の表記があれば、それが契約アンペア数です。
分電盤は、普段から頻繁に触るものではないのでどこだったっけ?というシーンも少なくありません。
分電盤の一般的な設置個所は、玄関付近、脱衣所、トイレ、収納にあることが多いです。戸建てであれば廊下にあったりします。
ほとんどの場合で、分電盤の見えるところに数値が書いてありますが、時たまカバー内にあることがあります。
注意点として、安全のため濡れた手では触らないようにする必要がありますし、全然分からない場合は無理に触らず検針票での確認や電気屋さんに相談するようにしましょう。
検針票での確認方法
検針票は契約アンペア数を最も確実に確認できる公式文書です。
「ご契約アンペア」「契約容量」などの項目で、現在の契約アンペア数を確認できます。
電気事業法に基づく記載事項の中に、契約アンペア数が含まれており、検針票に必ず記載があります。
検針票がなければ、各電力会社のWEBサイトにログインし、契約内容を確認すれば把握することができるでしょう。
最近ではスマホアプリもあります。
分電盤に30Aと表記があっても、実際は40A契約を行っている場合もあります。
検針票の電気事業法に基づく記載事項
- お客様番号
- 契約アンペア数
- 基本料金
- 使用量
- 料金内訳
契約アンペア数の変更手順と注意点
賃貸物件での変更手続き
賃貸物件でのアンペア変更は、①不動産管理会社・大家への確認 → ②電力会社への申請 → ③工事(必要な場合)の順で進めます。
物件の設備状況によって変更できない場合もあるため、事前確認は必ず行うようにしましょう。
築年数が古いと、大がかりな工事が必要となるケースもあるため、アンペアの変更が許可されない場合もあります。しかしその一方で、大家さんが工事費用を持ってくれる場合があります!
日本賃貸住宅管理協会の調査(2023年)によれば、アンペア変更可能物件は75%であり、別途工事が必要な物件は30%、変更不可物件は25%という結果があります。
許可が出たからとはいえ、明日明後日に変えれるものではありません。
変更を依頼したい時は早めに相談するようにしましょう。
年1回の変更制限について
契約アンペア数の変更は、原則として12ヶ月に1回までに制限されています。
ただし、引っ越しや設備の大幅な変更など、正当な理由がある場合は例外的に認められることがあります。
単なる見直しであれば年に1度に制限されることを頭に入れておく必要があります。
認められるケースと認められにくいケース
- 認められるケース
★ 引っ越しによる新規契約
★ エアコン新設による容量増加
★ オール電化リフォーム
★ 介護機器の導入 - 認められにくいケース
★ 季節による使用量変動
★ 一時的な使用量増加
★ 料金の調整目的
2024年1月投稿
エアコンを2台増設する際、設置証明書を提出したら年1回制限の例外として認められ、アンペアを上げることができました
Yahoo!ニュース「電気契約の見直し特集(2023年8月掲載)」より
年1回制限の例外申請は、正当な理由があれば約90%が認められている。ただし、単なるコスト削減目的では認められにくい
工事が必要な場合の対応
アンペア数の変更時、配線やブレーカーの交換が必要になるケースがあります。
特に築年数の古い物件や、大幅なアンペア増加の場合は工事が必要となる可能性が高くなります。
電気事業連合会の工事実態調査(2023年)をまとめてみると下記のようなことが言えます。
変更内容 | 工事必要性 | 平均工事費用 |
---|---|---|
10A削減 | 20% | 5,000円程度 |
20A以上増加 | 85% | 15,000円程度 |
配線径変更必要 | 100% | 25,000円程度 |
これらを総まとめすると、工事を要する変更は約40%、不要の変更は60%程度です。
ただし、工事が必要で費用が掛かる場合でも、大家さんが工事費用を持ってくれるケースもあるのでいろんな意味で必ず相談するようにしましょう。
工事が必要となる典型的なケース
- 30A→50A以上への増加
- 築20年以上の物件
- 配線が細い場合
- 分電盤の容量不足
一人暮らし 何アンペア?のまとめ
一人暮らしの場合、標準的な選択は20A~30Aです。
電気事業連合会の調査によれば、一人暮らしの約85%がこの範囲で契約しています。
特に30Aが最も一般的で、エアコンや電子レンジなどの同時使用でもブレーカーが落ちにくく、基本料金も月額858円(東京電力)と経済的です。
契約アンペア数は分電盤や検針票で確認でき、年1回まで変更可能です。ただし、賃貸物件の場合は管理会社への確認が必要です。
工事が必要になるケースもあり、特に築年数が古い物件では注意が必要になります。
しかし、適切なアンペア数を選ぶことで、快適な生活と経済性の両立が可能です。使用状況に合わせた契約内容の見直しをお勧めします。
もう一度おさらいしておきましょう。
重要なポイント
- 選び方の基準
★ 20A:外食中心で家での調理が少ない方
★ 30A:一般的な一人暮らし向け
★ 40A以上:オール電化や在宅ワークの方 - 契約変更時の注意点
★ 年1回までの変更制限あり
★ 賃貸は管理会社の承諾必須
★ 工事の有無を事前確認 - 節約のコツ
★ 同時使用を避ける
★ 使用時間をずらす
★ 季節に応じた見直し
一人暮らし 何アンペア Q&A
電気ケトル(12A)と電子レンジ(12A)の同時使用で24Aとなるため、20Aだとブレーカーが落ちる可能性が高くなります。IHクッキングヒーターを使用する場合は40A以上の契約を検討したほうがいいです。
変更希望日の2週間前までに電力会社への申し込みをお勧めします。ただし、以下の点に注意が必要ですよ!
- 変更は年1回まで
- 賃貸の場合は事前に管理会社の承諾が必要
- 工事が必要な場合は1ヶ月前までに相談
- 引っ越しに伴う変更は、この制限の対象外
- 早めに電力会社に相談することで、スムーズな変更が可能です。