「急いで事業資金が必要なのに、銀行では時間がかかると言われた…」
「不動産を担保に入れれば、すぐに融資が受けられるのでは?」
そんな悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実は、不動産担保ローンでも「即日審査」と「即日融資」には大きな違いがあります。しかし、正しい準備と適切な金融機関選びをすれば、最短3営業日での融資も可能かもしれません。
この記事では、安心して利用できる優良な金融機関の選び方や、審査をスムーズに進めるコツ、そして、どうしても即日で資金が必要な場合の代替案などを具体的に紹介します。
ぜひ最後まで読んで、賢くスムーズな資金調達を実現してください。
不動産担保ローンの審査期間と即日融資の可能性は
即日融資は可能?
不動産担保ローンで即日融資を受けれることは、ほぼ無いと考えてくださいです!残念ですが、諦めるしかないです。
即日融資が難しい主な理由
- 担保不動産の評価
鑑定士による現地調査や書類確認が必要で、数日かかるのが一般的です。 - 法的な手続き
抵当権設定には、法務局への手続きが必要であり、これも数日かかります。 - 金融機関の審査体制
多くの金融機関では、慎重な審査を行うため、即日での判断は難しいです。
とはいえ、一部のノンバンクでは「即日仮審査」と「最短3営業日での融資実行」に対応しているケースがあります。
ただし、あくまでも仮審査です。
即日仮審査が可能な案件の条件
- 担保物件が以下のいずれか
★ 都市部のマンション
★ 新築から20年以内の建物
★ 更地(住宅地) - 必要書類が完備
★ 本人確認書類
★ 不動産登記簿謄本
★ 物件資料一式 - 融資金額
★ 担保評価額の50%以下
★ 上限5,000万円まで
いくらノンバンクとはいえ、完全な即日融資は実質的に不可能で、最短でも3営業日程度は必要でしょう。
また、物件条件によってその期間は変動するので、事前の準備が必須になります。
緊急時の代替手段(カードローンの活用)
緊急の資金需要に対しては、不動産担保ローンの融資実行までのつなぎ資金として、カードローンを活用する方法が有効です!
ただし、カードローンは金利が高いため、あくまでも一時的な繋ぎ資金として利用し、計画的に返済することが重要です!
カードローンは、無担保で融資を受けられるため、審査が比較的スピーディーです。
多くの場合、オンラインで申し込みが完結し、最短即日で融資を受けることも可能です。一方、不動産担保ローンは担保評価などの手続きが必要なため、融資までに数日~数週間かかります。
不動産担保ローンとカードローンの比較
項目 | 不動産担保ローン | カードローン |
---|---|---|
融資スピード | 遅い | 速い |
金利 | 低い | 高い |
融資額 | 高額 | 少額~中額 |
審査難易度 | 高い | 比較的甘い |
緊急時のつなぎとして検討を
カードローンの活用について
- カードローン活用のメリット
★ 即日融資が可能
★ 必要書類が少ない
★ 借入・返済が自由
★ 審査が早い
★ 担保不要 - デメリット
★ 金利が高い
★ 融資限度額が低い
★ 複数社利用のリスク
カードローンについては、詳細を後述しています。
不動産担保ローンとは?基礎知識
不動産担保ローンの仕組みと特徴
不動産担保ローンとは、所有している不動産を担保として金融機関からお金を借りる融資の仕組みです。
一般的な無担保ローンと比べて、高額な融資が可能で金利も低いのが特徴です。
金融庁の統計データによると、2023年度の不動産担保ローンの平均融資額は2,500万円で、平均金利は3.0〜8.0%となっています。
一方、無担保ローンの平均融資額は300万円、平均金利は7.0〜15.0%となっており、担保設定による優位性が明確に表れています。
不動産担保ローンの主な特徴
- 融資額の決定要因
★ 担保物件の評価額(時価の50〜80%が目安)
★ 借入人の返済能力
★ 物件の種類や立地 - 利用可能な不動産の種類
★ 土地(更地・居住用・事業用)
★ 建物(一戸建て・マンション・店舗)
★ 収益物件(アパート・マンション) - 融資期間
★ 短期:6ヶ月〜3年
★ 中期:3年〜10年
★ 長期:10年〜35年
不動産担保ローンを扱う金融機関の種類
不動産担保ローンには大きく分けて二つの金融機関から借り入れます。
審査や条件においては内容は全く異なりますが、双方、諸費用はそれなりに掛かることを頭に入れておきましょう。
銀行・ろうきん(労働金庫)
銀行・ろうきんの不動産担保ローンは、低金利で安定した融資を提供する一方、審査が厳格で時間がかかるのが特徴です。
主に事業性融資や住宅ローンの借り換えなど、長期的な資金需要に対応しています。
審査時の重視項目として、年収、担保物件の評価額、他社の借り入れ状況、職業や勤続年数・雇用形態、資金使途の妥当性などがあげられます。
主要行の不動産担保ローン特徴
- 融資実行までの期間:平均4~6週間
- 平均融資金額:3,500万円
- 平均金利:2.5~4.0%
- 審査通過率:約35%
労働金庫(ろうきん)の特徴
- 融資実行までの期間:平均3~5週間
- 平均融資金額:2,800万円
- 平均金利:1.8~3.5%
- 審査通過率:約40%
銀行・ろうきんは低金利で安定した融資を提供しますが、必要書類が多い上に審査基準が厳しく、時間もかかります。緊急の資金需要には不向きですが、計画的な資金調達には適しています。
ノンバンク
ノンバンクの不動産担保ローンは、銀行と比べて審査が柔軟で融資までのスピードが速いのが特徴です。
銀行・ろうきんとは異なる独自の審査基準を設けていることが多く、多様な属性の顧客に対応できる融資体制を整えています。
そのため、銀行・ろうきんでは融資が難しいケースでも、ノンバンクであれば審査に通る可能性がありますが、リスクに見合った金利設定となるため、銀行・ろうきんよりも金利は高いです。
ノンバンクは、貸金業法に基づく規制を受けます。
大手ノンバンクの不動産担保ローン特徴
- 審査期間:3日~2週間
- 平均融資金額:2,000万円
- 金利:年4.0~15.0%
- 審査通過率:約65%
また、審査の特徴も銀行・ろうきんとは違い、担保物件が重視されるので収入証明が不要な場合もあることや、他社借入、年齢制限も緩やかです。第二順位以降の抵当権設定にも対応しています。
金利は高めですが、審査が柔軟で融資までが早いため、つなぎ資金や事業資金の調達に活用されています。
金融機関によって異なる審査基準
不動産担保ローンの審査基準は、金融機関の種類によって大きく異なります。
銀行は借り手の返済能力を重視し、ノンバンクは担保不動産の価値を重視する傾向にあります。
各金融機関は、それぞれのビジネスモデルやリスク許容度に応じて独自の審査基準を設けています。銀行・ろうきんは預金者の資金を運用しているため、貸倒れリスクを最小限に抑える必要があり、厳格な審査を行う傾向があります。その一方で、ノンバンクは、より高い金利を設定することでリスクをある程度許容し、より幅広い顧客層へ融資を提供しています。
金融庁の金融機関別融資審査実態調査(2023年)をデータ化してみました。
審査通過率
金融機関 | 通過率 | 審査機関 | 金利 |
---|---|---|---|
メガバンク | 35% | 4-6週間 | 2.5-4.0% |
地方銀行 | 40% | 3-5週間 | 3.0-4.5% |
ろうきん | 45% | 3-5週間 | 1.8-3.5% |
ノンバンク | 65% | 3-14日 | 4.0-15.0% |
ノンバンクの審査通過率が高いのは、やはり審査が緩いということがあげられます。
審査基準を比較してみましょう。
審査基準の比較(例)
項目 | 銀行・ろうきん | ノンバンク |
---|---|---|
収入 | 安定した収入が必要 | 収入が少なくても審査可の場合あり |
雇用形態 | 正社員が有利 | パートアルバイトでも審査可の場合あり |
信用情報 | 綺麗な信用情報が必須 | 過去に金融事故があっても審査可の場合あり |
担保不動産 | 価値が高い物件が有利 | 築年数が経過した物件でも審査可の場合あり |
ご覧のようにノンバンクであれば、収入が不安亭な場合や信用情報に傷がある場合でも、担保不動産の価値によっては融資を受けられることがあります。
ただし、金利は銀行・ろうきんに比べるとかなり高いということだけ頭に入れておきましょう。
他の融資との違い(カードローンとの比較)
不動産担保ローンとカードローンは、基本的にはどちらも個人向けの融資になりますが、利用目的、融資額、金利、審査の難易度、担保の有無など、様々な点で異なります。
どちらを選ぶかは、資金ニーズや個人の状況によって判断する必要があります。
不動産担保ローンは、不動産を担保とすることで高額な融資を比較的低金利で受けられます。一方、カードローンは無担保融資のため、審査は比較的容易ですが、融資額は限られ金利も高めに設定されます。
主な違いの比較表
項目 | 不動産担保ローン | カードローン |
---|---|---|
融資限度額 | ~1億程度 | ~800万円 |
金利(年利) | 2.5~15.0% | 3.0~18.0% |
審査機関 | 3日~6日 | 最短30分 |
融資実行まで | 銀行系:平均30日 ノンバンク:平均7日 | 銀行系:即日~3日 消費者金融:最短30分 |
必要書類 | 10種類以上 | 2~3種類 |
担保 | 必要 | 不要 |
資金使途 | 自由 | 自由 |
借入・返済 | 1回のみ | リボルビング |
そのようなことから、不動産担保ローンでは大型資金の長期調達に向いていますし、カードローンは少額ではあるものの即時調達に向いています。
Yahoo!知恵袋(2024年2月)
「急な資金需要で最初はカードローンを検討しましたが、必要額が1,000万円と大きかったため、不動産担保ローンに切り替えました。審査は2週間かかりましたが、金利が6.5%と、カードローンの15%より大幅に低く、月々の返済負担が抑えられました」
Yahoo!知恵袋(2024年1月)
「不動産担保ローンは手続きに時間がかかるため、つなぎ資金としてカードローンを利用。担保ローンが実行されたらカードローンを一括返済という方法で、うまく資金繰りができました」
不動産担保ローンの審査基準と必要書類
担保不動産の価値評価
不動産担保ローンにおける担保評価は、物件の市場価値に「掛け目」を乗じて算出します。
土地・建物の種類、立地、経過年数などにより評価額が大きく変動します。
金融機関は、不動産の市場価値を査定し、万が一返済が滞った場合に備えます。評価額が高いほど、融資を受けられる可能性が高まり、融資限度額も大きくなります。
物件種類別の掛け目(担保掛目)
物件種類 | 掛目 | 備考 |
---|---|---|
住宅用マンション | 70-80% | 築20年以内であれば評価されます。 |
戸建て住宅 | 60-70% | 木造/RC造で変動します。 |
収益物件 | 60-75% | 入居率が考慮されます。 |
更地 | 65-75% | 市街地であれば評価されます。 |
低地 | 50-60% | 権利関係で変動します。 |
他の評価補正のポイント
担保評価のポイントは様々ありますが、立地要素はとても大きく立地だけはどうしても変えられないこともあり、評価が大きく異なります。
駅から近いか遠いか?、幹線道路沿いであるかそうでないか?、商業地域であるかそうでないか?、他、もしそれが調整区域であれば大幅なマイナス評価補正になります。
その他、建物の築年数や構造、権利関係の清浄性、転売の可能性や、将来の価値変動リスクなどが主な担保評価のポイントになります。
近年では、AIによる評価システムを導入する金融機関が大きく増えています。
事業の安定性・収益性の評価
さらに、事業用目的としての場合の不動産担保ローンの審査では、担保価値に加えて事業の安定性・収益性が重要な判断基準となります。
特に、過去3年間の業績推移(3期分の決算書などが必要)と今後の事業計画が重視されます。
例えば、2023年の日本政策金融公庫の融資審査基準であれば以下のような評価比重であることが分かります。
事業評価の重要項目と評価比重
審査項目 | 比重 |
---|---|
売上高推移 | 25% |
営業利益率推移 | 20% |
キャッシュフロー | 20% |
業界動向との整合性 | 15% |
借入返済履歴 | 10% |
事業計画の実現性 | 10% |
これらの基準は金融機関によって異なりますが、例外なく言えることはどの金融機関も、事業目的として不動産担保ローンを組む場合、過去3年間の業績推移が重要視されます。
もちろん不動産担保ローンに限らず、他の事業用資金の借入(運転資金含む)についても同様のことが言えます。
ですので、過去3年間で売り上げが極端に下がっていたり、何かしらの理由で数字が汚かったりすると審査において、かなりの不利になります。
業種別の重視ポイント
続いて、業種別においては、どのようなところが重要なポイントとなるのかを見てみましょう。
業種 | 重視項目 | 基準値 |
---|---|---|
小売業 | 粗利益率 | 20%以上 |
製造業 | 営業利益率 | 8%以上 |
不動産業 | 入居率 | 85%以上 |
飲食業 | 売上高前年比 | 90%以上 |
建設業 | 受注残高 | 6ヶ月分 |
各業界では、上記表のように重視項目が特に評価されるポイントになります。
それ以上であればプラスポイントになりますし、逆にそれ以下ではかなりのマイナスポイントになってしまいます。
例えば、このサイトの趣旨であるような家主業をやっている者が、その当該不動産の事業用資金として借り入れるためには現在の入居率が85%を上回っていないと厳しい結果になります。
逆に、入居率100%で家賃収入をほぼ預金口座に入れているようなケースであれば金融機関から厚く信用され、不動産担保ローンでなくとも通常の事業用資金として喜んで貸してくれるでしょう。
実例
ここでは飲食店を例に出してみましょう。
申込企業データ
・業種:居酒屋チェーン
・売上高:年商2億円
・営業利益率:8%
・店舗数:5店舗
・営業年数:10年
評価ポイント
✓ 直近3年間の売上高安定
✓ 黒字経営継続
✓ 既存店売上高前年比100%超
✓ 食材原価率の適正管理
× 人件費率やや高め
必要書類一覧
不動産担保ローンの申込には、本人確認書類、収入証明書、担保物件関連書類など、多岐にわたる書類の提出が必要です。
書類の不備は審査の遅延や謝絶の原因となるため、慎重な準備が必要です。
1個欠けるだけで3~7日も差が開くこともありますので、急いでいる場合には尚更慎重に準備してください。
有効期限の確認や、コピーの鮮明さも併せて確認しましょう。また、原本と写しをきちんと区別することなどもポイントです。
必要書類一覧と提出必要度
- 本人関連書類(必須度:★★★)
・運転免許証/パスポート等
・実印・印鑑証明書
・住民票 - 収入関連書類(必須度:★★★)
・源泉徴収票(直近2年分)
・確定申告書(直近3期分)
・会社の決算書(法人の場合)
・給与明細(直近3ヶ月分) - 担保物件関連書類(必須度:★★★)
・不動産登記簿謄本
・公図・建物図面
・固定資産税評価証明書
・固定資産税納税証明書 - その他書類(必須度:★★)
・返済予定表(他社借入がある場合)
・事業計画書(事業資金の場合)
・納税証明書
注意点
- 有効期限のある書類は最新のものを用意しましょう!
- 原本が必要な書類と写しでよい書類の区別をしっかりしましょう!
- 追加書類の要請に備えた予備の準備をしておきましょう!
- マイナンバー記載部分は必ずマスキングしてください!
- 決算書類は税理士の確認印があると望ましいです
他社借入状況の確認
不動産担保ローンの審査では、他社借入の有無、返済状況、借入総額が重要な判断材料となります。
特に、年間返済額の年収に対する割合(総返済負担率)が重視されます。
また、延滞履歴と借入件数があまりにも多い場合は最悪な評価を受けますので、やらかした記憶がある方は一旦、信用情報を照会してみてもよいでしょう。
CICであれば2年間一切延滞がなければ延滞情報は消えます。
最近ではAIによる与信判断が導入され、さらにリアルタイムで返済状況などが確認出来るようになってます。
決して嘘をついて申し込まないようにしましょう。
以下の許容範囲を超えると、一気に審査の難易度があがります。
総返済負担率の審査基準
借り入れ区分 | 許容範囲 | 備考 |
---|---|---|
個人 | 35%以下 | 年収に対する割合 |
個人事業主 | 40%以下 | 事業収入を含む |
法人 | 50%以下 | 売上高対比 |
実例
年収600万円の会社員の場合を見てみましょう。
現在の借入状況
・住宅ローン:2,500万円(月々8万円)
・カードローン:100万円(月々3万円)
・自動車ローン:200万円(月々4万円)
総返済負担率の計算
月々返済総額:15万円
年間返済額:180万円
総返済負担率:30%(180万円÷600万円)
→ 審査基準(35%以下)をクリア
早期融資を実現するための選び方と準備
金融機関選びの重要ポイント
早期融資を実現するためには、自身の条件に合った金融機関を選ぶことが必要です。
特に、審査基準、融資実行スピード、担保評価基準の3点を重視して選定する必要があります。
重視すべき剪定ポイントはおおよそ以下のようなものになるでしょう。
項目 | 重要度 |
---|---|
対応エリア | ★★★ |
担保評価基準 | ★★★ |
審査基準の柔軟性 | ★★★ |
融資実行スピード | ★★★ |
金利水準 | ★★ |
諸費用 | ★★ |
この中でも、対応エリアは特に大事で、そもそもエリアが対応していないとお話になりません!
審査の柔軟性については、各金融機関で公開しているものではありませんので、5chや他のサイトなんかで確認してみるのも良いでしょう。
注意点として、最低金利の広告には惑わされないようにしてください。
最低金利は、最も条件が良く高額を借り入れた場合に適用されるものですので、100万円や200万円程度の借入で最低金利が適用されることはありません。
チェックリスト
- 審査スピード重視の場合
オンライン完結型のノンバンクや、AIを活用した自動審査システムを導入している金融機関などは、審査スピードが速い傾向があります。 - 低金利重視の場合
銀行やろうきんは、ノンバンクに比べて金利が低い傾向があります。ただし、審査は厳格で時間がかかる場合がほとんどです。 - 高額融資希望の場合
融資限度額の高い金融機関を選びましょう。一般的に、ノンバンクは銀行よりも高額融資に対応している場合が多いです。
審査をスムーズに進めるコツ
スムーズな審査のカギは、必要書類の事前準備と正確な情報提供です。
特に、担保物件情報と資金計画の明確化が重要です。
金融機関は、審査に必要な情報を書類やヒアリングを通して収集します。必要書類が不足していたり、情報に不備があると、金融機関は追加で資料を要求したり、確認作業を行ったりする必要が生じ、審査期間が長引いてしまいます。
審査をスムーズに進めるためのコツ
- 必要書類を事前に準備する
金融機関のウェブサイトなどで必要書類を確認し、事前に準備しておきましょう。 - 正確な情報を提供する
申込書類の記入漏れや誤りがあると、審査に遅れが生じる可能性があります。正確な情報を丁寧に記入しましょう。 - 担保不動産の情報を整理する
登記事項証明書、固定資産税評価証明書、図面など、担保不動産に関する情報を整理しておきましょう。 - 金融機関の担当者と積極的にコミュニケーションを取る
不明点や疑問点があれば、遠慮なく金融機関の担当者に確認しましょう。
さらに、返済計画は余裕をもって設定するようにしましょう!
利用時の注意点とリスク対策
担保物件喪失のリスク
嫌なことを書きますが、不動産担保ローンでは、返済不能となった場合、担保物件が競売にかけられるリスクがあります。
特に、事業用資金の場合、業績悪化による返済困難が物件喪失につながるケースが多く見られます。
担保物件競売に至る主な原因
金融庁「不動産担保ローン実態調査2023」
原因 | 割合 | 平均延滞期間 |
---|---|---|
事業収入の激減 | 45% | 6ヶ月 |
失業・収入減少 | 25% | 8ヶ月 |
予期せぬ支出増 | 15% | 4か月 |
借入の雪だるま化 | 10% | 12ヶ月 |
その他 | 5% | — |
これらのリスクを回避するには、返済余力を十分に確保することや、早期の返済計画見直しはもちろん、場合によっては任意売却の選択などがあります。
いずれにおいても、金融機関との密な連絡を行いつつ、回避するように心がけてください。
Yahoo!知恵袋(2024年2月)
「コロナ禍で返済が厳しくなり、競売の危機がありましたが、早期に金融機関に相談。返済条件の変更で乗り切れました。早めの相談が決定的に重要でした」
Yahoo!ファイナンスニュースのコメント欄より(2024年1月)
「延滞が2ヶ月になった時点で、金融機関から任意売却の提案がありました。競売より高く売れて、借入も完済できました。競売は最後の手段として考えるべきです」
諸費用の確認
不動産担保ローンを利用する際には、金利以外にも様々な諸費用が発生します。
これらの費用を事前に確認し、総返済額を把握しておくことが重要になってきます。
諸費用を考慮せずに借り入れを行うと、返済負担が予想以上に大きくなる可能性があります。
不動産担保ローンには、事務手数料、保証料、抵当権設定費用、印紙税、不動産鑑定評価費用など、様々な諸費用が発生し、これらの費用は、金融機関や借入金額、担保不動産の種類などによって異なります。
その目安として、融資額の2-5%程度の費用を見込む必要があります。
主な諸費用の内訳と相場
費用項目 | 金額範囲 | 備考 |
---|---|---|
事務手数料 | 2-10万円 | 融資額により変動 |
抵当権設定費用 | 10-30万円 | 物件により変動 |
司法書士報酬 | 5-15万円 | 地域により変動 |
印紙代 | 1-20万円 | 融資額により変動 |
不動産調査費 | 3-10万円 | 物件種類による |
火災保険料 | 2-5万円/年 | 建物種類による |
諸費用もバカになりません。
諸費用確認のポイントとして、金融機関によっても異なる上、事前の見積書の取得が必要になりますし、含まれない費用の確認や追加費用発生条件なども予め確認するようにしておきましょう。
また、諸費用を減らすためには不要なオプションを見直したり、キャンペーン時期を活用するという手もあります。
期限前返済時の注意点
不動産担保ローンの期限前返済には、手数料が発生するだけでなく、返済時期や方法によって異なる制約があります。
事前の確認と計画的な返済が重要になります。
言ってしまえば、違約金のような割高の手数料が発生します。
金融機関は、ローン契約時に設定された金利と返済期間に基づいて、将来の利息収入を見込んでいます。期限前返済が行われると、この見込みが崩れるため、その損失を補填するために違約金が設定されている場合があります。
とはいえ、高い金利であれば手数料が掛かってでも早期に返済出来るのであればどんどん繰り上げるべきですし、一方で、かなりの低金利で借り入れしており、事業を回し続けていけるのであれば借りっぱなしで問題ないでしょう。
期限前返済時の確認ポイント
- 返済手数料の料率
- 返済可能な時期
- 必要な通知期間
- 最低返済額の制限
- 必要書類の準備
トラブル防止のポイント
不動産担保ローンのトラブルの多くは、契約内容の誤認識や重要事項の見落としから発生します。
事前の十分な確認と適切な記録保持が重要になります。
不動産担保ローンは、高額な融資となる場合が多く、返済期間も長期にわたるため、トラブルが発生すると深刻な事態に発展する可能性があるので契約前に十分な情報収集を行い、リスクを理解した上で利用する必要があります。
トラブル発生要因と割合
要因 | 発生率 | 主な内容 |
---|---|---|
契約内容の誤認識 | 35% | 金利変動の条件 |
説明不足 | 25% | 諸費用の詳細 |
返済条件の認識違い | 20% | 期限前返済について |
担保評価の齟齬(そご) | 15% | 評価額の相違 |
その他 | 5% | 書類関連 |
そのようなことから契約書の内容の確認(特約条項など)、金利条件、諸費用についてしっかり理解しておく必要があります。
※ 齟齬 ・・・意見や事柄が、くいちがって、合わないこと。くいちがい。
トラブル防止のための準備
- 契約内容の確認
★ 重要事項説明書の精読
★ 不明点の質問リスト作成
★ 説明内容のメモ作成 - 書類の管理
★ 契約書の完全コピー
★ やり取りの記録保持
★ 重要書類の写真保存 - コミュニケーション
★ 担当者の連絡先確保
★ 質問への回答の記録
★ 変更事項の書面化
不動産担保ローン 即日融資のまとめ
不動産担保ローンは、所有不動産を担保に資金調達ができる融資制度で、完全な即日融資は難しいものの、一部のノンバンクでは「即日仮審査」と「最短3営業日での融資実行」に対応しています。
金融庁の2023年データによると、融資実行までの期間は銀行で2-4週間、ノンバンクで3-7営業日が一般的です。
即日融資が難しい主な理由は、担保物件の評価と法的手続きに時間を要するためです。
ただし、必要書類の事前準備と正確な情報提供により、審査期間を大幅に短縮することは可能です。
特に担保物件が都市部のマンションで、融資額が評価額の50%以下の場合、比較的スピーディーな対応が期待できます。
Noリスト
- 即日融資には「仮審査OK」と「融資実行」の違いがある
- 担保評価に最低2-3営業日は必要
- 事前の書類準備が審査期間短縮の鍵
- 緊急時はカードローンの併用を検討
- ノンバンクの方が銀行より審査が早い傾向にある
なお、即日融資を急ぐあまり、金利や諸費用の確認を怠ると、予想以上のコスト負担が発生する可能性があるので、慎重な比較検討を推奨します。
不動産担保ローン 即日融資 Q&A
不動産の査定や法的書類作成などにどうしても時間がかかるため、即日融資に対応している金融機関はほぼありません。「即日審査」を謳うノンバンクもありますが、これは審査結果の通知が早いだけで、融資実行までは数日かかります。どうしても即日で資金が必要な場合は、カードローンなどの無担保ローンを検討しましょう。
特にノンバンクでは、担保物件の価値を重視する審査を行うため、無職でも融資を受けられます。ただし、金利は一般的に高めとなります。また、返済計画の妥当性は厳しく審査されますので注意しましょう。
ただし、築年数により担保評価額が大きく変動します。例えば、築20年超の物件は新築時の40-60%程度の評価となることが一般的です。一方で、金融機関によって築年数の評価基準が異なるため、複数社での比較をお勧めします。
マンション、戸建て住宅、アパート、ビル、工場、倉庫など、様々な種類の不動産が担保になり得ますが、金融機関によっては、担保対象外の不動産もありますので、事前に確認するようにしましょう。また、共有持分や借地権付きの物件なども、金融機関によっては担保として認められる場合があります。